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第142話:ヤキモチの限界

口だけでは終わらないのがうちの彼女。


『前言撤回♪ やっぱり言葉だけじゃ本当に私の気持ちを理解してくれたのか不安だからぁ…行動でも示してくれなきゃ、これどけてあ~げない♡』


当然そんな言葉+生ぬるい意地悪のみで済むわけもなく、自分達が今どういった状況なのかを忘れているんじゃないかという疑いたくなる程の色っぽさを纏った彩乃に対してこちらが動揺すればするほど


それに比例してあちらの気持ちが高まっていくせいでお互い無限ループ状態へと嵌まりかけていたものの、自身の奥手度よりも独占欲の方が上だったらしく


(別にここまでならいいとかってわけではないけれど、取り敢えずこれ以上エロくなった彩乃の姿を俺以外の人に見られたくない!)


という気持ちという名の心の声と同時に


「んぅ~、あっぱりえんぶあめっ‼(んぅ~、やっぱり全部だめっ‼)」


人差し指で自分の口が塞がれていることどころか自身の気持ちすらもお構いなしといった感じで完全に本能が赴くままに行動しだした俺はそんなことを口走ったところで突然頭の中が冷静になったせいで羞恥心が凄い勢いで上り詰めてきたものの


口と同時に動き出していた俺の右手を今さら止められるわけもなく、咄嗟にできたことと言えば気持ち強めに彩乃と手を繋ごうとしていたところからお互いの人差し指を絡める形での手繋ぎに変更するという


これはこれで逆に恥ずかし気がして堪らないものの、どこまでが想定の範囲内だったのか分からないが少なくともある程度は彼女の掌の上であったことは間違いないのであろう。


「ふふ~んぅ♡ ひーくん、私のことでヤキモチ焼いちゃったの? 焼いてくれちゃったの?」


「ッ~~~~///」


(相変わらずどこからどこまでが狙ってやっていたのかとか、現在進行形でそうなのか……全然分からん)


「んぅ~~~っ♡ そうやって顔を赤くして恥ずかしがってるひーくんも可愛い♡ はぁ…そんな可愛い顔をされちゃうとまた違った意地悪をしたくなっちゃうよ♡」


「んぅ~~~ッ」


(分からんけど、取り敢えず今死ぬほど恥ずかしいことだけは分かる)

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