第134話:中間地点でもドキドキ展開?
なんか知らない間にウチの彼女が読心術を使えるようになっていたもののなんとか許してもらえたもとい…どこまで気付かれているのかは知らないが俺がしてほしかったこと全てをしてくれたおかげでかなり落ち着いたなと思ったのもつかの間のこと。
お互い真正面を向き合う形でこちらに全体重を預けながら背伸びをし、優しく頭を撫でてくれていた彩乃は急にそれをやめてしまったかと思えば自身の態勢を戻す過程で軽く唇にキスしてきた後
再び意地悪な、しかし今回はどちらかというと小悪魔っぽい雰囲気で上目使いに俺の目を見つめながら
「言い忘れてたけれど私今日もひーくんの家に泊まるから……覚悟しておいてよね♡」
「はぁ⁉ んなの聞いてねえぞ、おい‼」
「だから私今言ったじゃん、『言い忘れてたけど』って。あっ、あと最初から今日も泊まるつもりでいたから明日の分の着替えとか……」
とそこで一旦言葉を切ったかと思えば何の前触れもなくスッと体を近付け、今度はお互いの体が触れるか触れないかという絶妙な距離感を維持しながらも器用にこちらの耳元へ自分の口を持ってき…どこか色っぽい声で
「(今日の夜も昨日と同じ下着かもっていう心配ならしなくて大丈夫だ、よ♡)」
「そういうのは言い忘れてたって言うんじゃなくワザと言わなかったって言うんだよ! あと最後のその余計な心配はいら」
(別に俺は昨日と同じでも全然気にしないというか、私服とかも含めて彩乃はそこら辺のセンスがマジでいいから正直それはそれで全然いいのだけれど……)
なんて一人頭の中で考え事をしているうちに例の上目使いな態勢に戻っていた彩乃は先ほどと同じ小悪魔モードで
「ん? いら?」
「いら……、なくはないけれども、今ここで言わなくてもいいですよね‼」
「………………」
(ヤッ、ヤバい。この彩乃の雰囲気、もしかしなくても小悪魔モードどころか…Sスイッチも入りかけてるよな? しかも読心術同様いつの間にこんなこと覚えたのか知らねえけど、完全にコイツのペースに飲まれてるせいで例えここからキャラ変彼氏を使ったとしても………全く勝てる気がしない)
「………ふふっ、そうやって私に悟られないよう表面上では余裕そうにしているけれど実際は心の中で焦っているひーくんもかわいい♡ は~ぁ、状況と場所さえ問題なければこのまま続きをするところなのに、ねぇ…ひーくん?」
(訳:ちゃんと今回も何が悪かったのかを理解及び反省をしたみたいだし、何よりもそれを踏まえてのごめんなさいも言えたからさっきの件については許してあげるけど……。ってところか?)
「はい、よくできました♪ ということでまずはこの後どうするつもりだったのかは知らないけれど、さっきひーくんが拾ってきた美咲をどうにしなさい♪」




