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第118話:スタート地点で

自称俺の姉こと倉科や健太などといった友達からの頼みなら間違いなく一回どっかに行ってアイスでも食ってから渋々戻って。


でも『何かご褒美をくれなきゃ参加しない』くらいのわがままを言っていただろうがこの最終競技ことクラス代表マラソン大会に対する生徒達の盛り上がり方や様々な点での尋常じゃない力の入り具合に加え、運動部に所属している学生であっても大半が参加しようとは思わない…思えない程のルールの鬼畜具合。


そしてそこから更に例の伝説やら伝統競技だからこそ生まれたいくつかの暗黙の了解的なやつがあるせいで選ばれし者のみが参加を許される超クソ競技とはいえ、彩乃が関係しているともなれば話は別であるどころか本気でやらざるを得ないというものである。どっちにしろ嫌なのは変わらないけど。


………まあ、もし今の俺に彼女がいなかったとしてもアイツ一人の状態で頼まれていたのならご褒美云々は言えどそれ以外は間違いなくさっきと同じ反応をしていただろうな。






皆さんお知り合いなのか何なのか知らないが俺がアップを終えてスタート地点についた時には既に各クラスの代表選手同士で競技が始まるまでの暇つぶしといった感じで何グループかに分かれて雑談等をしていたのだが、当たり前のことながらここでも陰キャぼっちな俺は真剣に考え事をしていますよオーラを出しながら頭の中で先ほどの倉科達とのやり取りを思い出したり彩乃がいるであろう例の場所までどうやって行くか。


そしてそこに着いた後の計画やその後の自身の動きなどについてシミュレーションという名の現実逃避をしているといつの間にかスタート前の選手紹介? 的なものが始まっていたらしくそれを一旦止めたのだが相変わらず馬鹿みたいにデカいモニターに実況役の放送部員の女子が何かを喋っているっぽい映像がリアルタイムで映し出されているものの、何故か声は聞こえないという状況にどういうこと?


とか思ったのもつかの間、今度はそいつに対し校長が何やら耳打ちをした直後いかにも体育祭の実況っといった感じで


『せっかくの選手紹介中だったにも関わらずこちらの不手際で音声トラブルを起こしてしまい誠に申し訳ありませんでした。で・す・が! 私が言いたかったことは全て喋れたと言っても過言ではありません&あとはもうご自分の目で―――くんの素晴らしさをご覧くださいとしか言えません‼ ということで選手の皆さん準備はいいですか?』


(いや、準備どうこうの前にそっちの音声トラブルまだ直ってなくね? 俺らよりお前らの方の心配をしろよ。………てか、さっきから自分以外の代表選手全員から『絶対にぶっ殺す』みたいな視線を感じるのは気のせい? やっぱり俺みたいな陰キャがここにいることが許せないとかそういう感じ? 陽キャって意外とこういう伝統を大事にしたりするからなぁ。あと無駄にプライド高そうだし)


『その様子だと皆さん大丈夫そうですね! それでは○○先生いきますよ?』


(いやだから音声トラブル―――)


『 すーーーぅ。位置について、用意………、ドン‼』


こちらの親切心などお構いなしにそう放送部の女子が言うと同時にスタートラインのすぐ横でスターターピストルを真上に構えていた○○先生がそれを打ったことにより体育祭最終競技であるクラス代表マラソン大会が始まった。

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