第113話:体育祭最終競技‼
『さぁー、今年もやってまいりました! 体育祭最終競技にして毎年一番の盛り上がりを見せる、しかし一位を取っても貰えるのは高総体の全国大会で優勝した時に貰えるタワートロフィーも顔負けなレベルのクオリティーと大きさを誇るこちらのトロフィーのみ‼』
『と言いたいところですが、普通にこれが一年間自分の教室に飾ってあるって考えたら滅茶苦茶テンション上がりません? しかもこの競技に参加できるのは三年生のみということで価値は更に爆上がり!』
『見たか一年生諸君! これが毎年ウチの体育祭で一番盛り上がる競技ことクラス対抗マラソン大会の優勝トロフィーだ! 凄いだろ⁉』
「「「「「うおおおおおおお‼」」」」」
『二年生諸君! 来年は君達の番だけどいったい誰がクラス代表として走るんだ? どうせサッカー部の○○だろ…とか、バスケ部の○○でしょ…と諦めてるそこの君! この競技のルール上陸上部は参加禁止になっているだけでなくまだ一年も時間があるんだ! 本当にクラス代表としてこの競技に参加したいと思っているのなら今すぐ陸上部の顧問に入部届を出してこい‼ そして選手登録前に退部するという黒に近いグレーな方法を使ってでもこの場に辿り着いて見せろ‼』
「「「「「いえぇぇぇーい‼」」」」」
『やっとこの時がきたぞ三年生諸君‼ もう他の教室にこのタワートロフィーを羨ましそうに見に行くのは今日で終わりだ‼ そうだろ、お前らーーー⁉』
「「「「「うおおおおおおお‼・いえぇぇぇーい‼」」」」」
『そして最後にこの競技の主役にして各クラス代表の皆さん、長らくお待たせしました! もしかしなくてもこれが目当てで参加されている人が大半だとは思いますが毎年のお決まりということで今年は放送部部長こと○○がこのまま発表させて頂きますよ‼』
『ということで今年も優勝選手にはその人が所属するクラスに贈られる物と同じタワートロフィーを贈呈、からの~~~、もちろん今回もあります! 校長先生になんでも一個だけお願いを聞いてもらえる券‼』
『あのね、一応言っておくけど別に『なんでも』というわけではないからね。そこのところ勘違いしないでくれよ、ホント』
『またまた~、そんなこと言っちゃって! 去年の優勝者なんか学食・購買一年間無料にしてくれっていう無茶苦茶なお願いをしたにも関わらず全校生徒の前でサラッとOKしたくせに~』
『ははは、まぁ先ほども言ったが一応だよ、一応。この学校に、ましてや各クラスの代表者に選ばれし者の中にいないとは思うが…変な屁理屈を捏ねる悪ガキが混じっている可能性が無きにしも非ずだからね……。とかなんとか自分で言っておいてなんだが私で叶えられるレベルのものならなんだって願いを聞いてあげるから、その見返りにというわけではないが代表者の八人はこの競技に全力をぶつけ、そしてこの体育祭最終競技を大いに盛り上げてくれ。私からは以上‼』
「よっしゃあああああ‼」×7
「………………」




