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第112話:その頃明日香は

・第111話:その頃彩乃は(下-Ⅲ)

・第111話:GW合宿二日目(下-IV)

・第111話:GW合宿二日目(下-V)

・第111話:GW合宿二日目(下-VI)


の4話は『小説家になろう』に投稿すると規約に引っ掛かってしまう可能性があるため投稿しておりません。

それぞれ個室のシャワー室でシャワーを浴びながら喋っていたとはいえ主によーくんのせいで彩乃ちゃんの機嫌が悪いことも、その張本人からであろうL○NEの通知が来た瞬間からそれに対する嬉しさを隠し切れないでいたことも全てまるわかり状態であったどころか、それを隠す気などサラサラないと言わんばかりの上機嫌さで彼女流のお風呂上がりのルーティンをこなすと私達二人に向かって


『じゃあちょっと私はひーくんのところに行ってくるから♪』


と言い残しどこかへ消えていったのが今から一時間ほど前のこと。


ちなみにそれに十分程遅れてあかりちゃんは食堂にある自販機でジュースを買ってくると言い残しったきり戻ってこないため一人寂しく布団の上でゴロゴロしながらスマホを弄っていると、この教室の扉がスライドする音とともにあかりちゃんらしき人影が見えたたため私はそちらを向きながら


「おかえり~、って何その恥ずかしがってるのか、怯えてるのかよく分からない顔は。夜の学校ってこともあって何か見てはいけないものでも見ちゃった?」


そう冗談で聞いたつもりだったのだが、あながち私の質問が間違っていたわけでもなかったらしく凄い勢いで扉を閉めたかと思えばそのままの勢いでこちらまで近づいてき


「見ちゃいました! それもゲームとかドラマでしか見たことないような大人な世界をです‼ あと彩乃先輩が凄く怖くなったり凄く可愛くなったり……凄くえっ、えっちな…感じになったり……」


「まあ状況的にあかりちゃんが何を見たのか何となく想像がつくし、今の話で顔を赤くして帰ってきた理由も理解できたけど、なんでそれで怯えながらこっちに戻ってきたのさ」


そんな質問をした瞬間、彼女の雰囲気や表情が180度変わっただけでなく何か怖いことでも思い出したのか私の手を握ってきたため一旦落ち着かせてから一通り話を聞いてみた結果


「ようするに、たまたま中庭を通ったらあの二人がイチャイチャしていて、ついそれを隠れて見ていたら一番見つかってはいけないであろう場面でよーくんに見つかってしまったから今後何をされるか分からなくて怖いと。……いったいあかりちゃんはよーくんのことをなんだと思ってるのさ」


「別に何か嫌がらせをされるんじゃないか? とかは全然思ってませんし、先輩がそんな人ではないことは分かってますけど…なんというか」


「なんというか?」


「本当は優しい人だって分かってはいるんですけど、どうしても一之瀬先輩と話す時だけは未だに緊張するというか…怖いというか」


(あー、なるほどね。まあよーくんの性格だったり部活中の二人の様子を見てればそう思いたくなるのも分かるどころか、そういう風に考えるのが普通だよねぇ。そこら辺に関しては彩乃ちゃんが頑張ってるみたいだけど、効果が出るのはまだまだ先そうだし)


「そんな状況に追い打ちをかけるかのように今回の件が起こったと」


そう言うと彼女はどこか不安そうな顔をしながら一度だけ頭を縦に振ってきたため、取り敢えず彩乃ちゃんが帰ってくるまではよーくんとの関係についての悩みを聞き出し、その後の対策に関しては三人揃ってからにしようと計画を立てはしたものの結局時間が解決してくれるのを待つしかないという結論に至ったのは言うまでもないだろう。

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