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謎な陰キャぼっち高校生の恋愛事情  作者: ITIRiN
高校3年生編

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第107話:その頃彩乃は (下)

まるで『今の一之瀬先輩でも十分素敵な彼氏さんじゃないですか』みたいな感じであかりが言ってきたのを受け、私は心の中で


(それは分かってるんだけど!)


と思いつつ


「そうなんだけど! 相変わらず私の彼氏は凄くカッコよくて凄く優しいんだけど‼ でもいつものひーくんはもっと、もーーーと素敵な人なの‼ 二人は知らないだろうけど彼氏Ver.のひーくんはもう本当に凄いんだから‼ 一度あんなのを経験しちゃっらもう二度と戻れなくなっちゃうほど凄いんだから‼」


「言ってることが男の人からDVを受けてる女の人のそれに近い気がするのは私の気のせい?」


「明日香先輩。多分それは気のせいじゃないです……と言いたいところなんですけど一之瀬先輩なら、っていい意味で納得できちゃうんですよね」


「まあ、よーくんがそんな酷い人じゃないことは勿論のこととして、周りから見ても力関係は一目瞭然だから最初から心配とかはしてないんだけど」


そんな私の彼氏を褒めながらサラッと失礼なことを言ってきた明日香に対し何か言い返そうとした瞬間、タオルやシャンプーなどと一緒にラックの上に置いておいた自分のスマホからL○NEに通知がきたことを知らせる通知音が鳴り


ひーくん:《この後中庭に来れる?》


(もし今日もほったらかしにされるようだったらこっちから彼のことを呼び出して、ちょ~っとだけ怒った後に夜の校内デートへと考えていたのだけど……このお誘いに免じてお小言を言うのだけはやめてあげようかな)

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