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謎な陰キャぼっち高校生の恋愛事情  作者: ITIRiN
高校3年生編

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第104話:部活が始まる前の日曜の朝 (下)

(超くだらねぇー。そんなの俺が最強に決まってんじゃん)


と言いたいところなのだが、何も知らない人にそんなことを言ったら中二病扱い間違いなしなので取り敢えず二人の近くまで移動した俺は自分が年上であることも考慮し、できるだけあっちも友達感覚で話せるよう若干ふざけ気味に


「おい、にわかども。世界最強の元一般人関係での最強は宗司でもティアでもねえぞ」


「いやいやいや、どう考えてもそれはないでしょ一之瀬先輩」


「そうっすよ。流石にその発言はにわか過ぎますわ」


(作者様に向かって随分なことを言ってくれるじゃねえか、おい)


「今言ったこと絶対に忘れんなよ。そして今から話す俺の考えに反論できなかったら一人一本ずつジュース奢れよ」


「じゃあ逆にこっちが勝ったら一之瀬先輩が奢ってくださいよ?」


「一本どころか引退するまで毎日奢ってやるっつうの」


「しゃっ! この勝負絶対に勝つぞ」


「おうよ!」


昨日の敵は今日の友とはよく言ったもので、自分達の目の前に共通の敵が現れたことによって自然と仲直りしたどころか一瞬で手を組みだした二人を見て内心


(喧嘩の止め方なんて知らないからあんな風にしてみたけど『一回も話したことない奴にいきなり絡まれた、キモッ‼』みたいな反応じゃなくてよかったぁ)


なんて弱気なことを考えている反面、この調子でいけばこの二人とは仲良くなれそうだなとちょっと嬉しくなりながら


「最強は世界最強の元一般人の作者ことITIRiN。以上」


「「………………」」


「………その小説について何も知らない私が言うのもなんですけど、それってどうなんですか?」


そんな上原の言葉に続き問題の男子二人が『うんうん』と首を縦に振ってきたため、俺はそいつらに向かって


「だってキャラ設定を考えるのも、物語を考えるのも全部作者じゃん。ってことはそこら辺にいた何でもない村人Aが最終巻でいきなり作中最強になる可能性だってあり得るわけじゃん」


「「………………」」


「気に食わなさそうな顔してるところ悪いけどよ、俺は『世界最強の元一般人()()での最強は』って言っただけであって、『世界最強の元一般人での()()最強は』なんて一言も言ってねえぞ。っていうのは完全に屁理屈なんだけどさ、結局作中最強ってのは全部作者次第なわけじゃん。例えばお前がそれの作者だったとして、名前も顔も知らないただの読者二人がどっちが強い云々の論争をしてるところを見たらどう思うよ?」


「……くだらないことで言い争ってんなって思います」


「お前は?」


「俺もコイツと同じです」


「よし、じゃあそこの自販機で俺に一本ずつジュースを奢れ、っていうのは嘘で俺が奢ってやるから着いて来い」


別に先輩面してみたかったとか俺に浪費癖があるとかではなく、最悪ジュースでも奢ってなあなあにしようと考えていたためそう言うと、二人は遠慮する気配など微塵も感じさせず喜んで俺の後ろを着いてきたため何がいいのか決めさせている間に上原の方を向いて


(………これって上原にも奢ってやった方がいいのか? いや、でももしそれでセクハラ扱いとかされたら嫌だしな)


「先輩、俺モ○スターがいいっす!」


「俺はレ○ドブルでお願いします!」


「お前らいい根性してんな、ほんと。二度と奢らねえわ」


(ここまでとは言わないまでも冗談気味に上原も『奢ってください』って言ってくれればあれなんだけど、まあ今回はスルーしとくか)

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