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謎な陰キャぼっち高校生の恋愛事情  作者: ITIRiN
高校3年生編

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第94話:次は美咲の番 (下) (彩乃視点)

流石にこれはひーくんが舌打ちをしたくなるのも分かるとはいえ世の中にはやっていい事と悪い事がある以上あとでこの件について甘やかすなどという気持ちは一ミリもない反面


(よく素直に自分の間違いを認めました♪)


と心の中で褒めてあげていると何かを言いたそうな美咲が


「さっきから何を作ってるの?」


「マグカッププリンっていう15分くらいで作れるプリン。って言っても作業が簡略化されてるせいで茶碗蒸しみたいなものなんだけど」


「もしかしなくても一之瀬君に作ってるの?」


「仕方なかったとはいえあんまりひーくんの相手をできなかっただけじゃなく、教室に置いて来ちゃったからね。その分しっかり埋め合わせしてあげないと」


そう返しながらカップに材料を全て流し込んだ私はオーブンにそれを入れ熱しすぎないよう観察していると真剣な顔をした美咲が割り込んできて


「私も最初は凄くいい人だと思ってたけど、こうやって冷静に思い出してみるとあの人はマジでヤバいって! 舌打ちと雰囲気だけでもあそこまで怖かったのにあれ以上怖くなられたら彼女の彩乃でも手を付けられなくなって、最悪のパターンもあり得るかもしれないよ?」


「お生憎私はひーくんと付き合う前に一回だけ彼が本気で怒ってるところを見たことがあるし、もしその怒りがお門違いだった際には素直に自分の非を認めて頭を下げる姿も見たことがあるのでご心配なく」


「いや、でも―――」


チン♪


美咲による無意味な説得を自分が強制的に打ち切ってあげると言わんばかりのグッドタイミングでオーブンが鳴ったので私はそれの前へと移動し


「高いオーブンだけあって一発で上手く焼けたみたいだね。ということで早く戻るよ」


「ちょっと、私の話はまだ終わってないんだけど!」


「………………」


「私はアンタのために言ってあげるんだから―――」


最初はこのまま無視していればそのうち飽きて忘れるだろうと思っていたのだが、どうもそういうわけにはいかなそうなことを察した私は扉の前で一旦立ち止まり、ちゃんとお互いの目と目を合わせてから


「私の心配をしてくれるのは嬉しいし、それでひーくんのことを悪く言うのはまだ許せるども……その前にまずは彼に謝るのが先でしょうが!」

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