第52話:新マネージャー
折角彼女ができたというのに明日から春休みなせいで彩乃に会おうとした場合自分から連絡を取る、もしくはあっちからそれがくるのを待たなければいけないのだが……
新幹線の中で悩みに悩んだ挙句倉科に助けを求めた俺がそんなことできるはずもなく、『取り敢えずは今日は頑張ったし明日考えよう』ということでいつも通り仕事をした後眠りにつき本日2月15日。
東京に行った次の日は必ず学校を休むくせに部活にはちゃんと行くというスーパーウルトラ真面目な一之瀬陽太君は自称不足分の鉄分を取れるという紙パックのフルーツジュースを飲みながら体育館の扉をあけると
「あっ、ひーくんおはよう」
「………すみません今日は家庭科部が体育館を使う感じでしたか。お邪魔しました」
そう言い俺は開けたばかりの扉を閉めようとすると今度は倉科さんがそれを掴みながらこちらを睨んできたので
「なんだ倉科も家庭科部に入部したのか? そうか今まで世話になった、ありがとうな」
「どう考えても家庭科部が体育館を使うわけないでしょうが。いいから早く中に入りなさい」
「はい」
ということで大人しく中に入ると他の奴らはまだ来ていないらしくガラーンとした空間に三人だけという状況だったので取り敢えず飲みかけのジュースを飲んでいると彩乃が
「今日から私もこの部活のマネージャーをすることにしたからよろしくね」
「ブフッーーーーー‼」




