表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/42

第2話

はじめは何が起きたのか分からなかった。

ポージングしたら勢い余って爆発した、なんて誰が分かる?


響く轟音、爆炎に包まれる視界。

突然のことに俺はついビクッと身構えてしまった。


……それがまずかった。

構えた右腕は疾風を引き起こし竜巻となって進軍する。

構えた左腕から閃光がほとばしり稲妻となって降り注ぐ。


「うわぁ!?なっなんだ!?」

俺の声に精霊たちが呼応し、周囲に次々と氷柱が発生。

火柱が立ち、砂塵が巻き起こる。


そんな地獄絵図にただただ驚くしかない俺。


俺が驚き、身構えるとあちこちに爆音と衝撃が発生する。

そしてそれに驚く俺。そしてまた轟音が響く。

そして俺が驚く。そして……。


パニックを起こした俺は走り出した。

俺が地面を蹴るたびに爆発で地面がえぐれ、俺が荒く呼吸するたび空間がうねる。


自身の起こす現象に怯え、逃げ惑うその様はかなり滑稽に見えただろう。

起きている現象に目をつぶればの話だが……。




惨劇の原因が自分にあると気づいたのは、小さめの山一つ更地にした後だった。

どうやら俺は間違いなくチートを授けられたようだ。






俺はゆっくりと歩いた。

太極拳のようにゆっくりと、お盆を運ぶように慎重に。


これ以上被害を出すわけにはいかない。

かといってずっとじっとしているわけにもいかない。

少なくとも、ゆっくり動けば爆発は発生しないことが分かったのでこうして移動しているわけだ。


まずは生活基盤を整えなければ。

転生したけどそのまま餓死、なんてシャレにもならない。

そのためにはこの世界のことを知る必要がある。


幸い見晴らしはよく、遠くに街道のようなものが見えたのでまずはそこを目指している。

まあ見晴らしをよくしたのは俺なのだが。


ちなみに、今俺は全裸である。

山一つ吹き飛ばしたのだ、服も当然吹き飛んだ。

腰にあった剣もなくなった。

股間に男の剣ならあったが。


見晴らしの良い景色、透き通るような青空、全裸で太極拳をする男……。

なんだか健康法みたいだな、と思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ