825 キミの全てを覆す
※前回までの女神末
【悪魔】が【悪魔】の見た目をしているからとて
『【悪魔】の【サイコさん成分】が足りない』
……と言えるワケでも
【足らない分を生成すればいい】
……という話でもない
と、ケンオーはそう言った。
ちくせうちくせう!
ことごとく俺の仮設を覆しやがって!
おかげで俺の仮説はもうゼロだ……
だがしかぁし!
お前の覆し劇もここまでだ!
仮説がゼロになったからには
もうこれ以上は覆せまい!
『ところがどっこい
実はもう一個だけ覆えせるんだなぁコレが!』
なん……だとぉ?
『いやだってキミってば……
【サイコさん成分が足らないなら
生成すればいいじゃない!】
……とか言ってたじゃないか……
これだって立派な仮説だよ?』
そりゃまぁ……言ったけどよぉ……
え、なに?
それも覆すってのか?
『そりゃもちろん!
というワケで……ねぇマナト?
【悪魔】が生成された時に起きたことを
もう一度、考えてもらっていいかな?』
全力で拒否りたいんだけど……
だがまぁ仕方ないから考えてやろう!
というワケで……
【悪魔】が生成された時に起きたのは……
そんなの何度も言うように……
【生成された【悪魔】が
《らび・らいふ》とサイコさんをフルボッコにした】
……だろ?
『そう……【悪魔】はサイコさんをフルボッコにした……
でもね? この時サイコさんは
あくまでも瀕死になっただけ……
つまりサイコさんは、その後しぶとくも回復したんだよ?』
ふむふむつまり?
『【サイコさんが存命でそこに居る】ということは
【サイコさんの成分】もまた【そこに在る】んだよ?
だったらその後
【悪魔】に足りない【サイコさん成分】を足すとしても
フツーは……
【足りない成分を生成すればいいじゃない】
……じゃなくて……
【サイコさんの成分をつかえばいいじゃない】
……ってなるんじゃないかなぁ?』
いやいやケンオーよ……
そうはならんだろ?
『え、なんで?』
いやだって……
【サイコさんの成分】を【悪魔】に引き継ぐためには
【サイコさんの魂魄核】を生成しなきゃいけなくて
でも《らび・らいふ》では
『人間の【魂魄核】は生成できない』んだぜ?
だから【オリジナルはつかえない】じゃん?
『いやいやマナト……
そうはならないでしょ?』
え、なんで?
『いやだって……
【サイコさんの成分】を【悪魔】に引き継ぐには
【魂魄核】なんて生成しなくても
【存命のサイコさん】が【悪魔】に
【口頭で語り聞かせるだけでいい】んじゃないかなぁ?』
…………………あ!
なるほど【口頭で語り聞かせる】か……
…………その手があったかぁ!
『いやキミ、《らび・らいふ》に頼りすぎぃ!』
う~ん……なんも言えねぇ……




