表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第六章
863/1016

番外 『リケジョ審判結審』

「まぁもしも仮に万が一……

 貴女が本当に『リケジョ』でなかったとして

 『貴女の側の塔』が破壊されることなく

 まさかの『魔物側の塔』を破壊して

 見事、魔物の進軍を阻止することができたなら……

 その時は『塔の中のふたり』を解放するとともに

 先ほど(746裏)申しました通り

 御()方を『野盗対策のスペシャリスト』として迎え入れて差し上げ――」


あら残念……最後まで言い切れぬまま

時間が来てしまいましたわ……


とはいえ

いくら相手が『金級八星(キ○パチ)』であろうとも

『ハック&クラック』無しに

あの軍勢の侵攻を阻止などできるはずもなく

故に言い切れずとも何の問題も無し――


学長ことあたくしはそう思い

モニタリングすらも止めて仕事を再開したのですが……

『You Lose!

 あなたの塔は破壊され遊戯が終了しました』


――そんな『遊戯終了』の通知が

あたくしの端末に届き


『You Win!』以外にあり得ないと

思っていたあたくしはただ愕然としましたわ……


しかもそれ以外の通知が来ないということは

彼女(ミラ)は本当に『ハック&クラック』なしに

『遊戯』に勝利したことを示しており

その事実にあたくしは益々愕然としましたわ……


彼女は一体何をどうしてこうなったというのか?

こんなことなら

『遊戯』の様子を最後まで観ておくべきでしたわ……


とはいえこうなったからには

思考を改めましょう。


そもそもあたくしが

『リケジョ』であることを頑なに否定する彼女に対して

今回のような無理難題(無理ゲー)を彼女に強いたのは

生命の危機に陥ったとき……


もしも彼女が『リケジョ』――

『ハック&クラック』の使い手であれば

流石にそれを使って生き延びようとする……

あるいは

本当に彼女が『リケジョ』でなかったら

そのときはただの野盗に慈悲はなし。

ただ魔物の軍勢に蹂躙されるのみ……


……それを見極めるためのものでしたが


結果彼女は『ハック&クラック』を使うことなく

見事、魔物を撃退してのけました。


彼女が『リケジョ』でなかったのは残念ですが

それ以上に魔物の軍勢を撃退してしまうような

驚異的な能力の持ち主を

受け入れない手はありませんわ。


されどあの魔物の軍勢相手に

無傷で済むとも考えられず

瀕死の重症を負ってるやもしれず


ならば急いで治癒術を施さねば

貴重な人材を失うことに……


そう思いながら彼女が戻ってくるであろう

『学長室』に戻ったあたくしは

今夜最大級に愕然となるのです……


なんとそこには、まさかの全くの無傷――

――それは身体だけでなく着衣すらも――

――無傷な姿で来客席にて寛ぐ彼女と他()名……


いや、あなた方……何をなさってますの?


というか貴女、あの戦場で何をどう立ち回れば

今のように全くの無傷で済ませることができますの……?


……等々と

訊きたいこと言いたいことは

山ほどありますが

さしあたって今あたくしが

何よりも最優先ですべきことは……ただ一つ!


それは、あたくしの席に

無言で座り顔の(ゲン○ウ)前で手を(スタイル)組んでいる(アンコール)『むしけら』を……


『あぁた、こんの『むしけら』が……

 あたくしの椅子でなにしてくれてんねや!』


……とばかりに

『むんず』と掴んで『そおい』するのみ!


「へぶしっ!

 ……やっと『次話完治(リセット)』できた俺を

 こうも軽々と掴んで投げ飛ばすとは……ばたっ」


「マナトさまあぁぁぁぁぁ!」


彼女がここにきて

今夜一番取り乱した様子で

慌てて『むしけら』に駆け寄りますが……


いや……本当にあなた方は何をなさってますの?


……等々と

訊きたいこと言いたいことツッコミたいことが

それはもう本当に山ほど……

マナト:学長ったら酷いんだよ……

    俺を見るなり『そおい』しやがって……

    そんなに『むしけら』が悪いのか?

ジーク:いやこれは……

    『むしけら』関係なしに

    アニキがフツーに悪いと思うッス……

娘さん:なんならマナトさんの方から

    『そおい』されに行ってるまであるでしょ……

マナト:だって学長には俺が見えてないのかと……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ