695裏&クリスマス緊急特番 合体スペシャル
みなさんこんばんわ
私はミラ――
――オーナー殿とマナトさまの
いつまでも尽きぬ語らいのその裏で
未だに『謎の立ちポーズ』を続けている――
――かと思いきや
出番が無いのをいいことに
リディアさんとともにコッソリ楽屋で休んでいる――
――ミラで御座います。
「ミラ師匠!
今年も『神のイチモツ祭』がやってきましたよ!」
『神のイチモツ祭』とは
年に一度、『古の神さま』こと大主様が現れて――
――たとえば【名ばかり『ゆうしゃ』】だったリディアさんに
『神聖印』と『女神の加護』を与えて
【真の『勇者』】へと導いたように――
――どんな願いでも叶えて頂けるという
とてもありがたい日の事なのですが……
そうですか。
あれからもう一年になるのですね……
月日が経つのは速いものです。
これぞまさに【光陰矢の如し】!
そっと目を閉じてみれば
あの日から今日までの
一年間の様々な思い出が浮かび上がって――
………
……
…
――きませんね……
というか
そっと目を開いてみれば
一年どころか一日たりとも経過せぬままに
いまだにオーナー殿とマナトさまの会話が続いているではないですか!
……い、一日が経つのは案外遅いものです。
これぞまさに【一年は短く一日は長い】!
「すみませんミラ師匠。
ちょっと何を言ってるか、わかりません!」
……捨て置いてください、リディアさん。
ストーリー展開が当初の想定から大きくズレて
完全にのんびり進行な現実に気付いてしまい
わたくし、少々混乱しているだけですので……
「はぁ……なんだかよくわからないけどわかりました!
ところでミラ師匠は
今年は何を古の神さまにお願いしますか?」
今年の古の神さまへのお願いは……
そうですね……
もはや『はやく『明日』になぁれ!』の一択でしょうか?
「なんだか遠足前日のおこさまのような……
とてもささやかなお願いですね!」
……一見ささやかなようで
その実、この上なく切実なる自身のお願いに
それはもう、果てしなく遠い目をしていると――
『……その願い、叶えて進ぜ……いやムリじゃね?』
――という
なんとも荘厳――
――さのかけらもない響きの『不思議な声』が
どこからともなく聞こえてきたかと思えば……
次の瞬間!
周囲の景色が去年同様に一変したので御座いま――
――いえ……その前に大主様に畏れながら申し上げます……
「ムリとか言うな!」




