688裏 『入学』すっ飛ばしのその理由
前回までの女神末
当時『とある卒業生』に行った説明を再現する……
というワケで、今回の視点担当は……このワシじゃよ!
さて、『とある卒業生』が何故
『冒険者専門学校』への『入学』をすっ飛ばして
いきなり『卒業』となったのか?
それにはもちろん理由がある!
その理由というのは……ズバリ!
【『始モブ』が本校に入学しても、得られるものが何も無い】からだ!
そもそもウチは皆さん御存知のとおり
『卒業生の初回冒険者登録時の飛び級スタート……
……即ち
『本校卒業生』が『この街』で冒険者として初回登録する際に
本来なら『むしけら』から始めるところを
最低でも『いっぱし』から登録可能!』
……という制度を売りにしている学校だ。
そこで世に居る数多の若き冒険者志望者たちは
この『ウチの売り』を目当てに
こぞってウチへの入学を志望するのだが……
だがしかし!『始モブ』は……
【『そよの街』でもう既に初回登録済みの現役高ランク冒険者】
……である。
となると仮に『始モブ』がウチに入学し
その後たとえ主席で卒業したとしても
『始モブ』は『ウチの売り』を得ることができないのだ!
ついでに言うと『始モブ』は
【臨時講師としても充分教壇に立てるレベルの冒険者】……。
そんな『始モブ』がウチの生徒として
この上何の知識が得られると言うのか?
いや!『始モブ』は何も得られないのだ!
ところで先ほど説明したとおり
【他所の地域から有能な冒険者を連れてきて
わが校の卒業生として輩出すればいいじゃない!】
というのが『中途編入枠』のコンセプトなワケだが
これらを踏まえて
【ウチと『始モブ』双方の一番のメリットになるのは何か?】
と考えた結果が――
「――『始モブ』の『入学』をすっ飛ばして『卒業』に至った理由である!」




