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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第一章
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046 冒険者ギルドの基礎知識 第二版

職員の中でも受付嬢の仕事は実はかなりハードだ。

担当する冒険者の顔と名前、能力や装備、クエスト環境の得手不得手、過去に達成したクエスト、失敗したクエスト。

人間関係等々あらゆる情報をすべて記憶しなければならない。

この情報がおろそかになると、冒険者の実力にそぐわないクエストを勧めてしまったり、冒険者同士の諍いを誘発したりするからだ。

この辺り、キャバクラのキャストをまわす黒服に近いかもしれない。

客の好みのキャバ嬢、懐具合、酒の好み等の情報がおろそかになると、指名替えによるキャバ嬢同士の諍いや売掛金等を発生させ…

…ごほん。話がそれた。


とにかく受付嬢というのは

ギルド一番人気のアイドル職員だったり、

チンピラ冒険者に絡まれたり殴られたりした初心者冒険者を優しく介抱したり、

夜はいつもの酒場でその初心者となぜか毎回偶然相席したり、

また別の日にはチンピラの逆恨みでスラムの盗賊に囲まれた初心者を逃がしたり

実は元有名冒険者だったとかでチンピラを返り討ちにしたり、

あるいは

か弱い受付嬢としてチンピラに囲まれて初心者に救いだされたり、

様々な偶然を総動員して初心者と仲良くなり、

しまいには自ら冒険者登録をして初心者とともに冒険の旅に出て行ったり

などという簡単なお仕事は、神に選ばれた受付嬢にしかまわってこない。


ここでも系列運営であれば記憶力抜群で冒険者経験もある有能受付嬢を派遣してもらえるが、

個人運営だと、家族に務めさせたり、最悪マスターが兼任したりもざらである。


盗賊学のお勉強でも語った通り、冒険者が未登録で活動すると野盗扱いだ。


ちなみにギルド総本部は何件も存在するがギルドの出店は

その地域の長の許可が必要となり、

大抵地域に一つのグループしか許可が下りない。

ギルドが競合することで冒険者の食い合いになることを防ぐためである。

ただし、野盗狩りにおいて、全てのギルドが一致団結する必要があるため、

全てのギルド総本部は相互協力関係にあり、管轄地域によるなわばり争いが

起こることはない。

そして個人運営でも一地域一グループは守られる。

例えばこの街のような機能しないギルドが存在するところに、

後から大手ギルドが出店してきて個人ギルドを撤退させる…なんてことはない。

もっともこの街に大手ギルドが来たところで赤字必至なわけだが。


ところで長の許可さえ得られれば、誰でもギルドを立ち上げることは可能だ。

もちろん許可にあたって長の審査は行われるから、ずぶの素人がいきなり

「あこがれのギルドマスターになってやる!」

なんて言い出しても簡単になれるものではないが。

この審査は、マスター自身の戦力、管理力、指導力を重視するようだ。

まぁ業務に必要な能力ばかりだな。

ここでも系列運営が強みを発揮する。

素人でもマスターになれるような研修を行ってくれるし大手のネームバリューが

あるから、審査も受けやすい。

個人運営だと、まず地域の長に会ってもらうところから始まり、相当厳しい審査となる。

そりゃだって、どこの馬の骨ともわからんやつをマスターにするわけにはいかないよな。


「…というわけだ」


なるほど…だからオッサンの職業は自称ギルドマスター(だれでもなれる)だったのか…

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