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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第六章
583/1016

470 バビロン崩壊

『ん? 今、()()()()()って言ったよね?』

いやいやいやいや、言ってない!

なんでそう聞き間違えたか知らないが

俺は『何度でも聞くようにする』って言ったんだよ!


「なんと!

 せっかくマナトさまの『何でもする』という、

 ()()()()()()ながらも有難きお言葉を頂戴したと思ったのに、

 ただの私の聞き間違いだったとは……」


あああ……

ミラが、ますます意気消沈してうなだれてしまった……


でも、しょうがないじゃん?

『何でもする』なんて言ってないものは言ってな――


-……いや、ちょっと待ってマナト!

 『()()()聞くように()()』の傍点打った文字だけを見ると……

 あら不思議!『()()()()()』になっちゃった!-


――言ってない……とも言い切れない!


「良かった!

 やはり私の聞き間違いではなかったのですね?」


なるほど……『途切れ途切れ』ってそういう……ってばか!

いくらなんでも俺のセリフを都合よく切りとりすぎぃ!


「不肖このミラ、マナトさまの『何でもする』という有難きお言葉を

 一日千秋の思いで待ち望んでおりました!――」


いや、ミラ?

だから俺、『何でもする』なんて言ってないから……


「――かくも有難きそのお言葉を、万感の思いにて頂戴仕りたる私は、

 天下無双の果報者にて候――」


もしもーし、俺の言ってることがわからないのかな?

ちなみに俺はミラが何言ってるのか、さっぱりわからんが……


-マナト……なんでわかんないの?

 これは、このコの喜びの感情が限界突破した時に、

 その口からとめどなくあふれ出すという奇跡の長口上……

 その名も『必殺!ミラ句流(ミラクル)・ミラマシンガン』だよ!-


えーと……

どうしよう、アニーが言ってることまでわからなくなってきた……

娘さん:今回の副題の『バビロン崩壊』ってなんですか?

マナト:かつて人間は、神の世界に行くための『階段』を作ろうとしたんだよ。

娘さん:『バベルの塔』ですね?

マナト:それに怒った神は罰として、

    階段作りに係わった人間の『言葉』をひとりひとり違うものにして、

    人間同士の『言葉による意思疎通』をできなくしたんだよ。

娘さん:あぁ……『何を言ってるのかわからない』ってネタですか……

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