440裏 おにっ! あ――『もういい』――くっ……!
さすが声だけの存在…… まさに『ひとでなし』の所業!
そんな『ひとでなし』の所業はさておき、
わたしの『鬼』発言に関しては、
本当に『鬼』なんて言うつもりは無かったんだよ?
でもほら、蓋開けてみたら
あの人間は普通に『おにあくま』認定に相応しい人間だったし……
今となっては結果オーライ!
わたしの言葉は『一匹のリスさんのたわごと』と思っ――
『それだよ!』
――思って……って、どれだよ!?
『さっきからきみは、ことあるごとに、
やれ『人間』だの、やれ『リス』だのと、
やたらと種族名を強調してるよね?』
え? そ、そうかな?
『もしキミが本当に【中身が見た目に引っ張られて】いて、
その上で本気で『自分はただのかわいいリスさん』アピールしてるとすれば、
それはそれで『ただのあざといリスさん』だからね?』
あ、あざといとか言うなし!
『まぁそれを『かわいい』と感じるか『あざとい』と感じるかは、
人それぞれだから置いておくとして……
とにかく、キミの『リスさんアピール』は、
なんだかわざとらしい感じがして、
『これ実は【中身が見た目に引っ張られた】フリをしているだけじゃね?』
とさえ思えて――』
ななな……なんでバレた?! いつバレた?!
『――思えてくる……って言おうとしたんだけど、
おやおや、どうやら正解だったみたいだね?
それとキミ、セリフとルビが逆になってるよ?』
しまったぁあああ!
動揺のあまり、うっかり逆になっちゃった……
……あぁもう!
そうだよ! 認めるよ!
わたしは、その見た目に合わせて
【『森の可愛いただのリス』のフリをしていただけの
ホントは『とっても哀れな発症者』】
だったんだよ!
『いや……
自分で『哀れな発症者』と言っちゃうのもどうかと思うし、
わざわざ『リスのフリをする』とか意味不明だし、
そもそも『森の可愛い暗殺者』だし……』
こ、細かいことは気にしない!
そんなことより、なんでバレたんだろう……?!
やっぱり『リスさんアピール』が、そんなにわざとらしかったのかな……
娘さん:さすが【英知の守護神】の推理力……
どっかの『ろくでなし』とは大違いです
マナト:おっと推理が一度も当たらないミラの悪口はそこまでだ!
娘さん:……マナトさんの事ですよ!




