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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第一章
51/1016

033 さあ説明回を始めよう

コイツ…そろそろ名前を呼んでやるか…ジークというらしい…に、洗いざらい白状させた。


どうやら【神眼】の表記通りに追い出されたが、街に潜伏しスパイ活動に成功すれば、団に戻してやると言われたそうだ。

そこでジークは森で捕らえたオオカミを放って騒ぎを起こし、自警団を引き付けている隙に街に潜伏しようとしたらしい。

【神眼】の通りなら既にアジトは破棄されているから、ジークが団に戻れる道は既にない。

その事実を伝えたら絶望したようだ。

なんか哀れになってきたし、完全に心が折れて反抗の意志も消えたようだしで、【治癒】を《共有》して全快させてやることにした。


すると、なんかジークの俺を見る目が熱くなって、

「あなたが大主か!」(違います)

とか

「アニキと呼ばせてください」

とか言い出した。


なんかいい奴に思えてきた。

少しは首輪の影響を緩めてやろう。


この街のどこにバレずに潜伏できる場所があるというのか…

こいつはどうにかできるつもりでいたようだが、特にプランもなかったようだ。

実際のところ、俺みたいに【認識操作】しない限り無理だろう。


「ところで、アニキは何で俺が怪しいって思ったッスか?」


ジークが不思議そうに訊いてきた。

マジでわかってないのか?

「あんな餓死寸前の子供のオオカミ一匹を敵襲とかほざくバカがどこにいる!」

「せめて活きのいい大人のオオカミ5、6匹連れてこい!」

そう指摘してやったら、初めて気づいたように驚愕しやがった…


一応、大人のオオカミを捕獲しようと散々探し回った結果、

既に事切れたオオカミしか見つけられず、仕方なくその傍に居た子供のオオカミを

捕獲しようとしたようだ。

もっとも捕獲する前に逃げられて追いかけたところ、たまたま街はずれにたどり着いたから

そのまま詰所に駆け込んだ…ということだ。


ジーク…才能は溢れてるのに知恵は足らないようだ…不憫な奴…

なんかこう…いたたまれなくなってきた。

チートに飲まれてフルボッコにして正直ホントすまんかった…

お詫びに隷属の首輪を、こいつがこよなく愛するというスカーフのデザインに変えてやったら気に入ったらしく


「チョーかっけー!ありがとうッス!もう絶対はずさないッス」


とか喜びだした。

でもそれ、お前を奴隷に堕として自力でははずせない、忌むべき首輪なんだよな…

こっちが悪者の気になってきたから、コイツの街での処遇を善処してみるか…

一応、俺の奴れ…部下になったわけだし、技能は有能だし…


その技能も隷属の首輪で支配下にあるせいか《完コピ》したら一瞬でコピれたわ。


今度【認識操作】→【隷属の首輪】→《完コピ》のコンボでも…

いや、チート乙…自重しろ俺。

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