032 さあチートに溺れよう
「な…なんだこれ…首輪?てめぇはずしやがれ!」
コイツが隷属の首輪をどんなにはずそうとしても、首輪はコイツの首に融着しており、
自力では絶対にはずせない。
コイツは首輪がはずせないとみるや、俺に殴りかかってくるがそのまま全身が硬直する。
もちろん隷属の首輪の効果だろう。
やはりテンプレ通りでいいようだ。
「もうお前は俺に従う以外無い」
「何をふざけた事を…」
俺の言葉を否定しようとも、実際に全身が硬直している以上どうにもできないだろう。
俺はコイツに二択を提示する。
「俺に服従か、自警団に出頭か選べ」
「へっ俺が選ぶのは…お前を殺して逃げるだ!」
粋がっているが全身の硬直は解けるわけではない。
まだ理解できないのか…
『常に直立不動』
俺はコイツに命令し、とりあえずその顔面に拳を叩き込む。
「ぐあっ」
殴られた勢いでコイツは倒れこむが、すぐさま立ち上がって直立不動の体制になる。
「なんだ…体が勝手に…」
『嘔吐を禁ずる』
俺は、コイツの戸惑いを気にも留めず、さらに命令を重ねて殴りつける。
「顔はやめなよボディーボディー♪」
「うぐ…むぐ…ごくっ」
コイツの腹をどんなに殴っても命令に忠実に直立不動を崩さず、
胃からの逆流物を吐き出さないように必死に飲み込み続ける。
何これ楽しい!これが奴隷遊びというやつか!
ケケケ…俺の笑いがこぼれる。
今度は指1本づつ、爪と肉の間に針刺して、10本刺したら1枚づつ爪剥いで、それがすんだら1本づつへし折って…
…ん?マテマテマテマテちょっと待て俺、ヤバいよヤバいよ…ダークサイドに堕ち始めてるよ、封印されちゃうよ…
俺もうやめて、コイツのライフはもうゼロよ!
ミラさまごめんなさい。貴女の不安は間違ってませんでした…
あ、冷静になって気づいたら、コイツが飲み込み切れなかった逆流物が鼻から溢れ出してたよ。
ヤバッ俺の手にもいっぱい垂れてる…
ばっちぃ…
〔生活魔法内包、洗浄〕
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〔洗浄〕:汚れなら、現物でも概念でも、きれいさっぱり消し去ります
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汚れの概念をきれいさっぱりってなんだそれ…
人生初の魔法行使はゲロの清浄でした…
…ファイアボールとかメテオストライクとかで初体験したかった…
能力と技能は散々行使してるけどな!
というか魔法便利だな…《オネーサマの愛》に溺れそうでこあい…
おっと、コイツの鼻も〔洗浄〕してやらないと窒息してしまう。
…あぁそうか…【不死】を《共有》すれば死ぬ心配ないな。
さて、ようやく俺の頭が冷えたところで…
「理解したか?」
と俺がコイツに訊ねれば、コイツは無言で何度も頷いた。
「では二択に戻ろうか…服従か死か選べ」
コイツは即座に土下座で服従を選んだ。




