閑話 『孤児院の惨劇』と『マナトの現実逃避』
※マナト視点。オーナー殿宅にて
【『獣化病』を発症して『魔物リス』と化して『孤児院』を滅ぼした】
オーナー殿の記憶に深く刻みこまれた、
その衝撃の真実や凄惨なる光景を、
ついうっかり、【記憶の支配者】で映像化した俺は、
一瞬でSAN値がゼロになり、即座に現実逃避を緊急敢行。
今はとりあえず『魔リス化したカシスさん』の呼称を、
『化シスさん』『カリスさん』『魔シスさん』
のどれに改めるべきか悩んでいる最中である。
『随分余裕のあるSAN値ゼロですね……』
『それにしても、衝撃的だったね……』
ホントに衝撃的だったな……
まさかオーナー殿が
『【英知の守護神】が語り掛けてきた』
なんて言い出すなんてな……
『え? そっち? 『孤児院の惨劇』じゃなくて?』
アニーが何を言ってるのかわからないし、
オーナー殿もオーナー殿で、
『【英知の守護神】が勝手に語り掛けてくる』
とか、何を言ってるのか分かんないけど、
とりあえず『世界は不思議で出来ている』ことは分かった!
『……あたしは
『孤児院の惨劇』を全力で無かったことにしちゃう、
マナトが、もっと何言ってるのかわからない……』
≪無理もないよ、元主様。
マナトは全力で『現実逃避』に取り組んでるんだもん≫
『そんなことに全力で取り組むな!
……って、え? 今の≪≫って、まさかの【神眼】のセリフ?
ってか【神眼】が、あたしを元主って呼ん――
なんと!
まさかの【神眼】が勝手に会話に割り込むという衝撃的な展開!
≪ねぇマナト?
【英知の守護神】が勝手に語り掛けてくることは、
そんなに不思議なことじゃないんだよ?≫
そうなのか……
ならば【神眼】よ! 詳しく聞かせてもらおうか!
≪お安い御用だよ~≫
――元主って呼んだことは完全にスルーされてる……』
≪これは簡単な話だよ。
だって【英知の守護神】には
【代々の『【英知の守護神】保有者』の
『記憶や技能や経験等』を次代に引き継ぐ『魂魄核機能』がある】
って話だからね。
これはつまり
『【英知の守護神】は、代々の保有者の魂魄の代役になりうる』
……ってことなんだよ≫
つまり、オーナー殿に語り掛けたのは、
【英知の守護神】じゃなくて『代々の保有者の魂魄』ってことか?
≪そういうこと。
そもそも【英知の守護神】も『人間の魂魄』も、
基本的には【どっちもおんなじ『ただの魔力の塊』】なんだよ。
どっちもおんなじものなんだから、
例えば『人間の魂魄』にできることなら、
【英知の守護神】にできても不思議じゃないでしょ?≫
なるほど……わかりやすい!
アニーは知ってたか?
『まぁ、その程度なら一応知ってたけど……
【【神眼】にも『勝手にお喋り機能』がある】
なんてのは知らなかったよ!』
≪そりゃだって、ついさっき手に入れた『機能』だもん。
あたしと、マナトの《ggrks》、
それと、マナトがオーナー殿の回想中に、
ちゃっかり【完コピ】完了させた【英知の守護神】を、
全部連動させたらできちゃった……的な?≫
『そ、そうなんだ……』




