392 モブコンビの悲劇
ところで、モブコンビの様子を見に、
カシスさんと一緒に、引きこもり部屋に踏み込んだんだっけ?
-あれ? 今回マナト視点?-
「マナト殿は、いきなり話を戻すのだな……
むしろワシの方が何の話をしていたか、
一瞬思い出せなかったではないか……」
「ワシは、とにかく嫌な予感がして、
カシスとともに『迷宮核設置場所』に踏み込んだのだが、
そこに居るはずの『兄と彼の者』の姿はどこにもなく、
代わりに居たのは、
一匹のリスと上半身がくろいぬ化した兄だったのだ!」
え? それってまさか……
「その通りだマナト殿……
ふたりまでもが獣化病の餌食となっていたのだ!」
なんだってぇー!
「なお『迷宮核設置場所』に出入口はひとつしかなく、
この時は、兄と彼の者以外、
誰も入っていないし出てもいないことは確認済みだ」
なるほど、現場の出入口はひとつしかない上に、
兄上殿と彼の者が中に入ったきり出てきていない……
そのふたりが『リスとくろいぬ』になってしまったと……
……あれ? でも、ちょっとおかしくないか?
どうして、オーナー殿はくろいぬを兄上殿だと思えたんだ?
……あ、これはまさか、つまり、でもそんな!
だが、もしそうならば……
謎は解けたよワトソン君!
-……今時ケー〇イ刑事なんて、わかる人いないんじゃ……-
犯人は……オーナー殿、貴方だ!
「は、犯人? しかもワシ?
相変わらず、マナト殿が何を言っているのかわからん……」
オーナー殿、とぼけるのは止めたまえ!
貴方は今こう言った!
『上半身がくろいぬ化した兄』と!
「そ、それがどうかしたのか?」
上半身がくろいぬなら、顔が判らないじゃないか!
それなのにオーナー殿は『兄』だと言い切った!
そう言い切れるのは、
兄上殿がくろいぬと化すところを見た者だけだ!
-つまりマナトは、
『オーナー殿がふたりを発症させた犯人だ』って言いたいの?-
その通りだ、アニー!
実際、オーナー殿は『発症のさせ方』を知っているしな!
「なるほど……そういうことだったのか!
マナト殿が何を言っているのか、ようやく理解できたわ……」
というわけで、素直に白状したまえオーナー殿!
「……マナト殿にひとつだけ訊きたいことがあるのだが、
もしマナト殿が『『ミラ殿』の服を着たくろいぬ』を見たら、
マナト殿は『そのくろいぬを『誰だ』と思う』のかね?」
え? そりゃもちろん、とりあえず『ミラ』と……あれ?
「それと同じことだよ、マナト殿……」
-つまり、そのくろいぬはオーナー殿のお兄さんの服を着ていたの?-
「そういうことだよ。アニー殿」
-……だってさ、マナト?-
……あー……これは、つまり、その、えーと……
ホントすんませんっした!
-おお! これは見事な『後方伸身宙返り4回ひねり五体投地』!-
ジーク:えーと……自分らは何を見せられてるんスか?
娘さん:多分、ネタが切れて時間稼ぎしたかったんじゃないかと……
マナト:そそそそそんなこと……ホントすんませんっした!




