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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第六章
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366裏 オーナー殿の回想:変わる日常

さっきまで質問魔だったマナト殿が急に静かになった……

一瞬うたた寝でもしているのかと思ったが、

なにやらブツブツと呟いているようだから、

何かワシに対する新たな質問でも考えているのだろうか?


だとすれば、再び質問魔ナト殿と化す前に

出来る限り回想を進めておくとするか……

『遺跡型迷宮核』が使用不能となってからは、

ワシらの生活もいろいろと変化が生じていた。


まず、本当にワシらの後ろ盾となった『サイコさん』は、

『遺跡型迷宮核』に匹敵するほどの恩恵を授けてくれた。


例えば、街の中心にそびえたつ『サイコさん』の住居を、

ワシらの新たな『専用訓練場』として提供いただけたのだが、

ワシらだけで使うにはいささか広すぎる。


これを有効に使うためは、他の冒険者にも広く解放するもよし、

あるいは『冒険者のための学校』を開設するのも良いだろう。


『サイコさん』が仲間に加わる一方で、去り行く者も居た。


『当代の護り手』となった兄が【英知の守護神】の導きに従って、

『遺跡型迷宮核』修復の手段を探す旅に出てしまったのだ。


また、街の内外でも様々な出来事があった。


例えば、街中の家畜に、凶暴化する個体が現れてみたり、

逆に、街の周囲に出現する魔物の一部に弱体化が見られたり、

さらには、かつて『むしけら』時代に、

『遺跡型迷宮核』で発生させた『素材大量生産(スタンピード)』だが、

これが本物の(・・・)魔物大量発生(スタンピード)』として発生するようになったり……と、


とにかく様々な出来事があった。


それらの原因は不明だが、

やはり『謎の光が街を襲ったあの日』を境に見られるようになった異変だ。


ちなみに『サイコさん』の御助力のもと、

ワシらの仲間で何度も『スタンピード』を制圧していたら、

いつの間にかワシも『街の英雄』と呼ばれるようになっていた。


ただし、その『スタンピード』が

なぜか『弱体化した魔物』で構成されているので、

それを制圧して『街の英雄』と呼ばれるのは、

いささか抵抗があるのだが……


ところで、一番の異変と言えば、

獣化病(ライカンスロープ)』の発生だろうか?


「ライカンスロープ……だと?!」


ふむ…… やはり質問魔ナト殿が喰いついてきたか……


獣化病(ライカンスロープ)』というのは、

文字通り、人間が獣に変化してしまう病気の事で、

この街では『くろいぬ』や『スロウロ・リス』に

変化してしまう住民が現れ始めたのだ。

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