026 自警団の仲間たち
早速冒険者ギルドの訓練場に団員を招集してもらった。
-------------------------------------
若いの:いずれはどこかの正式な冒険者ギルドに登録を夢見る14歳の青年。
これといった能力が無いのに、どこぞの女性の【魅了】を無意識のうちに
完全にレジストしちゃう絶対鈍感の持ち主
保有技能:《剣術》:神話や童話や英雄譚にあこがれて我流で練習中。
あこがれだけで強くなれるほど甘くない
-------------------------------------
-------------------------------------
農家のにいちゃん:畑と牛をこよなく愛する、気のいい16歳。いつもは温厚なのに
畑と牛を傷つけようものなら、
超で青髪な幻が見えそうなくらいの勢いで怒られる。
保有技能:《フォーク》:その優しさがアダとなり、盗賊をいつまでも突き刺せない。
《鍬戦闘》:その優しさがアダとなり、盗賊をいつまでも耕せない。
-------------------------------------
-------------------------------------
とても素敵なナイスガイ
:どう見ても、雑貨屋のおっちゃん。ただしノーメイクなので、
間違ってもオネーサマと呼んではいけません。
本人は別人で通っていると信じて疑わない。
雑貨屋さんと呼んだ瞬間に街が地図から消えるかも。
それと実はこの街の町長だけど秘密にしていて、
住民はみんなオッサンを町長だと思ってる模様。
保有技能:《素手格闘》
:普段は、アリンコ一匹殺せない、とてもやさしいナイスガイ。
ただし一度怒らせたらミラをもはるかに凌駕する。
絶対に怒らせるな。約束だぞ?
保有魔法:〔生活魔法〕
:〔超毛染め〕(固有)
:本気で怒ると髪を緑に毛染めする、とてもおしゃれなナイスガイ
-------------------------------------
-------------------------------------
その他(名前を覚えるのも考えるのも無駄なただのモブ。
総勢10名の肉の壁程度には使えるでしょう)
-------------------------------------
どこぞの女性の【魅了】をレジストとか、娘さんの本命って、若いの、あんたか!
娘さんも一応正式な冒険者ギルドの受付嬢だよ?
ってか、剣術とか誰も教えられないんだが…いや、ミラならあるいは…
農家のにぃちゃんのフォークって、家畜小屋の寝藁を混ぜる、でっかいあれの事か。
盗賊を耕すとか怖いよ…軽くアメリカンホラーだよ…
ナイスガイって…何やってんだオネーサマ…
そんな事より…ちょうちょうさん!!!!
居たのかこの街に町長さん!
正直俺もオッサンがそれっぽい立場だと思ってたよ!
ナイスガイな町長さんって、どこの「戦う市長」だよ!
そして本人が秘密にしてるんだから暴くなと何度言えば!
雑貨屋のおっちゃんなのか町長なのかオネーサマなのかナイスガイなのか
どれか一つに絞ってくれ!
あ、でもオネーサマには絞るなよ?絶対だからな?
っていうかその他でしかもただのモブって…
【神眼】よ…ホントにお前、元の持ち主そっくりだな!
モブにならなかった農家のにいちゃんはこの先化けるのか?
つまり実質戦えるメンバー候補は3人か…
えーと…いろんな意味で入団したくないな…
てか、ナイスガイ独りで充分じゃね?
「で、あんちゃんはこいつらをどう見る?」
団員全員についてオッサンが一通り紹介してくれたあと、訊ねてくる。
やべっ…【神眼】に集中してて全然聞いてなかった。
というか、モブのことも10人全員を丁寧に紹介してくれてたようだが、
すまん、オッサン。まったく記憶に残ってない。
「こちらのとても素敵なナイスガイはどなたさまですか?」
なぜか嫌な汗が噴き出して、口調がミラみたいになっちまった。
「自警団のスポンサーでな。彼は自警団活動には参加しないぞ」
なんでだよ!一人で世界壊せそうなくらい有望なのに…
「本当に世界が壊れます。…違う意味で」
ミラがそっと俺に耳打ちする。
…それじゃ仕方ないな。
「なあオッサン。はっきり言って若いのと農家のにいちゃんくらいしか見どころねーよ」
「やはりか…」
オッサンも分かってて、モブ全員紹介してくれた上に訊いたのか…
とりあえず持ってない技能《完コピ》しとくか…
<《片手剣術》《鍬戦闘》《フォーク》を取得しました>
<ナイスガイの技能は《完コピ》キャパシティーをはるかに凌駕するため取得できません>
って完コピ早いな!…対象修得値が低いせいかな?
ナイスガイのことは…もう何も言うまい。
真面目な話、もうひとりくらいは見どころのあるやつが欲しいな…
あるいはこの際、モブをもう10人追加でもいい。
街の中【神眼】して人材探して歩き回るか…
いっそ本気で検索系の技能創って探すか…
ビ〇リーチとかキャリ〇レとかないかな…
そんなことを考えていたら表から若い男が必死の形相で駆け込んできた。
「団長!敵襲だ!」




