022 マイナス×マイナス=プラス
「あんちゃん、光るモノはあるのに弱えぇなあ…」
そりゃ技能自体はオッサンの丸パクりしたからな。
それにしても、オッサンと同じ修得値でパクったはずなのに
どうして俺の修得値が最低修得値同然なんだろう…
「あんちゃんアレだよ。技能の基礎がなってないから、技能の使い方もわからないんだよ」
なるほど、初見の格ゲーで強い隠しキャラ選んでも、技表見ないとコマンドがわからない状態か!
ってことは、オッサンの技能の使い方見れば俺の修得値もパクった修得値に跳ね上がるのかな?
「ところでオネーチャンは見てるだけか?」
オッサンがなんか言い出した…
「試してみますか?」
ミラまでなんか言い出した…
しかも口元が不敵に微笑んじゃってるよ…
「自信ありそうじゃねぇか…いいぜ試してやる。手加減してやるから思いっきり来ていいぞ」
オッサンまで不敵に微笑んじゃったよ…
どう考えても頭脳労働派な自称女神の体に、神獣とはいえネコの心を入れたミラがまともに戦えるとは思わんが…
……オッサンが手加減された上に速攻で負けました。
……しかも途中から俺もオッサンに参加させられて、ふたりがかりでだよ…
野生のヤマネコを思わせるしなやかな動きで、こちらの攻撃はひらりひらりと舞うように避けまくって、一瞬で詰め寄ってきたかと思うと
ひょいっと軽々投げ飛ばしてくる。
これで手加減してるんだからたまったもんじゃない…
これが格ゲー名物隠れキャラというやつか…
「オネーチャンやるねぇ!」
オッサンがいっそ清々しいのか楽しそうに笑ってる。
「オネーチャンそんだけ強えぇし、あんちゃんも弱いけど才能ありそうだし、二人とも入団して鍛えようぜ」
オッサンの勧誘が始まったぞ…
あれ?これだけミラが強いなら、わざわざ入団してギルドで鍛えなくても
オッサンからパクった≪戦闘教官≫ミラに付与して教わればよくね?
ついでにパクった技能だけじゃなく、俺専用の技能も【創成】してみようかな…
「オッサン!その話はまた今度ゆっくり!」
俺はミラの手をひっつかんで逃げるようにその場を後にした。




