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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第六章
360/1015

294 宿のオヤジさんの獣人差別?

―宿屋前―


「ところで、むしけらよ。受付獣も宿に泊めるのか?」


あ…M-IRAを辺境に帰すの忘れてた…


だが、ここまで連れてきておいて『帰れ』というのも、ちょっとな…


「と言うわけで副隊長。宿泊者一名追加で」

「…2人部屋と1人部屋の二部屋しかとっていないのだが…」


まぁ、最悪、1人部屋をミラとM-IRAで使えばいいだろう。


…と簡単に考えて宿に入ったのだが…


「悪いけど、そっちの猫獣人(M-IRA)を泊めるわけにはいかないぞ」


え?なんでダメなのオヤジさん?

猫獣人だからダメなのか?

ダメなのは獣人差別の方だぞ?オヤジさん!


「ちげぇよ!…宿の大切なお客さんを差別なんてしねぇよ!」


…俺、昼間このオヤジさんに

テメェ(むしけら)を泊める部屋はネェ!』

とか『むしけら』差別受けた気がするんだけど…?


「それは…まぁ…『むしけら』とは言え、

 余所の冒険者をゴミムシ扱いするべきじゃなかったな…

 それは謝るよ。悪かった。

 …だが、それでも猫獣人()()はダメなんだよ!」


まぁ『冒険者ランク至上主義』のこの街における

むしけら(ゴミムシ以下)』の扱いを考えれば、

俺が受けた差別に関しては、

百歩譲って仕方ないという事にしてやってもいいが、

突然の獣人差別…これはちょっといただけない。


だが、もしかすると、

俺が知らないだけで『獣人差別』はこの世界の常識なのかもしれない。


そうなると一応理由だけは聞いておくか…?


「さぁ、なぜM-IRAがダメなのか言ってもらおうか?」

「ダメな理由は、命に係わるからだよ…おれっち、猫アレルギーなんだわ」


猫アレルギー!?

っていうか、猫アレルギーって『猫獣人』にも反応するのか?!

アレルギー恐るべし…


なんかアレルギーとか、全く想定外の理由が出てきてしまったが、

アレルギーなら仕方ないな…

残念だがM-IRAには、ここでお帰り頂くことにするか…


「いや、ちょっと待ってくれお客人。

 アンタの頭の上に居るのって、猫…だよな?」


ん?俺の頭の上に居る?


-…もしかしてマナト、あたしのこと完全に忘れてる?-


あ!…アニー居たの忘れてた…

そして、また俺の『頭部装備』になってたのか…


「っていうか…すまんオヤジさん!今すぐアニーを表に出すから!」

「だから、ちょっと待ってくれお客人!

 その白猫…どういうわけか、おれっちのアレルギーが発症しねぇんだよ。

 普通なら今頃おれっち、涙はボロボロ鼻水ズルズルの大惨事のハズなんだが…」


まぁ…アニーは見た目はただの白猫だけど、ホントは神獣(ネコ)だから、

もしかすると猫アレルギーとは関係ないのかもしれないな…


って、それを言ったらM-IRAも猫獣人の姿をした『女神(ミラ)のクローン』だけど…


「なんか、よくわからねぇけど、

 ちょっとその白猫、ほおずりさせてくれねぇか?」


は?ほおずり?

ごめんオヤジさん…ちょっと何言ってるかわからない…


「聞いてくれよお客人…

 おれっちはな…重度の猫アレルギーでありながら、末期の猫好きなんだよ!」

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