017 暴かれた自称女神2
最終的に、俺が情報も能力ももらえぬ状態で送り込まれるわけだが、
それは多分、二人の転生者との結託防止だろうな…
「んで、用済みになった俺が速やかに消滅するように策を講じ…大主に救われたわけだが」
「大主は、せめてもの罪滅ぼしにと、私に主が望む限りを尽くせ…と」
「それが、『奴隷になれというのならよろこんで』ってことか?」
「此度の救助協力を求めた転生者はすべからく、救助より隷属と凌辱を望まれる故」
「俺もそれを望むと思ってた?」
「御意にございます」
完全に委縮したミラが跪いて精一杯声を絞り出す。
大主…俺は本心から、奴隷にはしないと言ってるのに、貴方は聞き届けてくださらないのですね…(棒読み)
というか全責任は自称女神にあって、今のミラは何も悪くないわけだが。
それにしても本当に心入れ替えてマシになった…
いや、むしろこうあるべきって感じになったな。
「とりあえず…」
俺の声に、ミラがぴくりと肩を震わせた。
「当面の望みとして、もう少し口調を軽くしろ」
俺の告げた望みが想定外だったのか、ミラが何度も瞬き俺を見返すが、俺はそれに構うことなく次の望みを告げた。
「それと、主と主が被ってる。紛らわしいから俺の事を主と呼ぶのをやめろ」
「本当にその程度の望みですか…?」
あー…呆然としちゃったよ…そんなに想定外の望みだったのかね…
まぁ、奴隷遊びに走った転生者どもを見てればそうなるのかもな。
「最後に一つ。俺はレイの奴隷解放のために動くんだから、その奴隷によろこんでなろうとするな」
ついにミラが涙腺崩壊させてしまった…
そこまで俺が他の転生者と同じに、レイ解放より奴隷遊びを望むと思っていたのかな…
「前任の転生者と同様に一件より前の時間への転生を希望されたのと、隷属の首輪を所望されたことで…その…やはり貴方も…と…違うようで…涙が…」
あー…俺とふたりの言動が色々と一致しちゃってたのか…
というかミラって…そこまで張りつめてた様子あったっけ?
「…っつーか、これまでそんな素振り一切見せなかったよね?!」
「本心や情報を隠すのは…その…得意なもので…」
うん、知ってる。最初の転生とか本当に情報もらえなかったし。
「いいよもう。とりあえずこの話は忘れて、当初の予定通り冒険者ギルドに行こう」
「は、はい」
俺は熟睡中のネコにもう一発、弱めの発動しない【神眼】を打ち込んで、
ミラと街に戻ることにした。




