015 まじですか?…そうですか…
「いわゆる攻撃魔法とか回復魔法とかはなさそうだな…」
俺はテンションを大きく下げながらつぶやくようにミラに問いかけると
ミラは肯定を示すように小さく頷くが、
「その代わり、医学薬学が発展途上にあります」
そう言葉を返して来た。
そう言えばレイの例の一件…洒落じゃないからな?…には薬術師が関わってたな。
「それって例の薬術師の人体実験の成果だろ?」
「その通りです。ただし件の薬術師がまだいないので、発展途上なのです」
仮に活動していたとしてもレイを解放するまでは薬術師を放置するしかないわけだが…
それに薬術師の顔、結局見てないんだよな…
「ところでこの街に奴隷商はあるか?」
「この街にはありません」
「どこならある?」
「…なぜお知りになりたいのですか?」
俺の問いにミラが戸惑い始めた。
「隷属の首輪を入手して【神眼】しておきたい」
「…」
なぜ無言で返す?
ミラはどうやら躊躇しているようだ。
しばらく考え込んだ後、ミラが口を開き…
「主殿に報告致します。之なる街および近隣において、隷属の首輪は…」
と早口で答え始めた。
この聞き覚えのある口調…
確か前に聞いたのは白猫が自称女神に代わって、レイの奴隷解放についての報告を大主にした時だ。
あの時の報告はたしか…『介入を要する事件にレイが巻き込まれた』だったな…
とりあえずミラを止めよう。
「はい、ストップ!…お前のその報告の仕方は、何か誤魔化そうとする時じゃねーの?」
「!…お気づきでしたか…」
ついでに後ろめたい時ほど言葉遣いが重くなる気がする
ミラは困惑の表情で素直に白状した。
何を誤魔化すつもりなのか…いや、なんとなくわかっちゃった…
「この街に…いやこの世界に隷属の首輪は…いや、奴隷自体がまだ存在しない?」
「!」
「そして、隷属の首輪を持ち込んだのは…自称女神が関わった転生者…人買いだな?」
「…正解です…」
やはりか…
俺は人生二度目の四つん這い崩れ落ちを実行した。
あの女やっぱろくでもねー…
詳しく話を聞きたい…
「…戻るぞ」




