257 冒険者専門学校
俺は記憶の封印を解き、『冒険者専門学校』に乗り込んだ日の事を思い返していた
俺たちは【認識操作】で、
『『見直し隊』の拠点のある街を初めて訪れた旅の冒険者』
を装って現地入りしていた。
その街の様子はというと、
コアリボーン本部の街と同程度の規模の街並みだな…
だが、街を行き交う人たちはと言うと、
本部の街が一般人なのに対して、ここは冒険者が多いな…
冒険者の人口比率を増やしている理由は、
やはり『冒険者ランク至上主義』の風習によるものだろうか?
「マナト殿の言う事も確かではありますが、
それ以上に『冒険者専門学校』の存在が大きいですね」
隊長さんが、そう言いながら指し示す先に見えるのが、
恐らく『冒険者専門学校』なのだろう。
そこには、この街の中でも群を抜く大きさの建物が鎮座していた。
まぁ、一口に冒険者と言っても、その職種や技能は様々だからな、
ぱっと思い浮かぶだけでも『勇者、盗賊、遊び人×2』…
「マナトさま、それは賢者に転職するまでが大変そうですね…」
ものすごく大変だよ…
『鍵を手に入れる前に、鍵開けの魔法を覚える』といい勝負だ。
まぁ、初心者は素直に『勇戦僧魔』にしておけ!
…失礼、話がそれた。
話を戻すが、どっかの有名な『魔法使いの学校』を思い浮かべて欲しい。
『魔法使い』というたった一つの職種の専門学校ですら、
映画が作れてしまうほどの大きさになる。
その『魔法使い』もまた『冒険者』の数ある職種のうちの一つに過ぎない。
そんな『冒険者』の専門学校となると、当然にそれ以上の規模となるわけだ。
これ程の規模になると、学生数もかなりの人数になるだろうし、
その人数の卒業生が冒険者となるだろう。
しかも、冒険者になるのは卒業生ばかりじゃない。
中退者はもちろん、入学すらできなかった連中だって、
普通に冒険者になるわけだ。
そう考えると、冒険者多すぎじゃね?
大量の冒険者が活動するとなると、当然仕事の食い合いになって、
まともな活動やランク上げなんて、できないんじゃないのか?
「なので低ランク冒険者は冒険者の少ない地域に旅立ち、
街には『専門学校卒業生』の、
『飛び級』冒険者が残ることになるわけです」
専門学校出の冒険者は飛び級スタートでバリバリ活動できるが、
入学できなかった連中は『ゴミムシ扱い』の『むしけら』スタートとか、
まともな活動もできないんじゃないか?
…そりゃ『裏口』ビジネスも盛んになるわけだ。
「では、マナトさま。私はさっそく専門学校で教員登録を行います」
いやまて、ミラ。
とりあえず『専門学校首席卒業生の副隊長』に施されたような、
出鱈目教育の実態を把握するのが先だ。
ここは教員ではなく生徒として学校に潜入してみよう。
「マナト殿?ミラ殿なら、確かに受験すれば合格できるでしょうが…」
「だが『むしけら』よ…貴様、入試日まで何ヶ月あると思っているのだ?」
「マナトさま、やはり私が教員として即日採用を目指すべきかと…」
いやまて、お前ら。俺は『潜入する』と言ったんだ。
わざわざ入学してたら、潜入とは言わないだろ…
そうじゃなくて、もっと簡単な方法に心当たりがあるんだよ――




