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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第六章
312/1016

249 旅するマナトからの手紙

「グランマから手紙が届きましたので、執事の私が代読させて頂きます」


『この手紙をお前が読んでいるということは、

 俺はまだ、旅を終えていないのだろう――

 ――あの日、教育改革を目指すミラ先生に引きずられて、

 『見直し隊』とともに街を旅立ってから、かなりの時が過ぎたが、

 そちらに変わりはないだろうか?

 

 こちらはというと、

 迷宮内でもないのに出現しては襲いかかって来る魔物との戦いや、

 そんな魔物の生息地での過酷な野宿生活を強いられる毎日の中で、

 とある出来事から、自分がいかに『むしけら』なのかということを、

 いやというほど思い知らされた。


 外の世界とは、こんなにも差別と偏見で満ち溢れているものなのか…

 やはり『ランク至上主義』は、早急にぶっ壊さなくてはならないようだ。


 そんな差別と偏見で満ち溢れた旅路を終えた時、

 その現実に打ちのめされて夢破れた俺が、

 逆に『冒険者ランク至上主義者』の仲間入りをしていないことを、

 どうか祈っていて欲しい。


 ところで『ランク至上主義者』と言えば、

 かつて『戦力外無知ゆうしゃ』っぷりをフルに発揮した結果、

 『むしけら』降格となった『元祖ランク至上主義者』の副隊長のことで、

 伝えておきたいことがある。


 なぁ、聞いてくれ!

 隊長さんがアイツをついに『ひよっこ』に正式認定したんだ!

 それも『へっぽこ』をすっ飛ばしての飛び級認定だぞ!


 鬼教師ミラ先生による出鱈目知識矯正の補習授業にも、

 俺が昔オッサンからパクった《戦闘教官(死に設定)》による過酷な戦闘訓練にも、

 アイツは毎日耐えて、よく頑張った!感動した!


 とは言え、よく考えたらアイツは『元『ゆうしゃ』の副隊長』なのだから、

 『飛び級くらいできて当然』だろう。

 なのでジークたちも、そのつもりでいて欲しい。


 いいか?

 例え俺がセバスちゃんに大量のパーティー用食材を預けてあったり、

 大量のパーティーグッズを保管してあったりするからと言って、

 アイツの『飛び級昇格祝賀パーティー』なんて企画するんじゃないぞ?


 ましてや()()()()()パーティ開催を画策しようものなら、

 いくらパーティの開催日時が決まったとしても、

 内緒にされて拗ねた俺は、絶対にアイツを参加させないからな?


 あぁそれと、例え俺がセバスちゃんに

 『アイツが喜びそうなパーティープラン』

 をジークたちと相談して考えておくように命じてあったとしても、

 それは『俺に相談しなくていい』という意味じゃないからな?

 

 相談する時は、絶対に俺も混ぜるんだぞ?

 いいか?絶対にだからな?


 さて手紙の最後になったが、皆さんお待ちかねの、

 本日の『御当地食材』の発表だ。


 今回同封する食材は『乾燥スカイフィッシュ』だぜ!――

――これはそのまま食べるには向いてないが、

 茹でるといい出汁が出るので、スープでも作って飲んでみて欲しい。』


「手紙は以上となります」

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