145 シンクロ率マイナス100%(タイムシフト再生)
「じゃなくて!お前ら、ユニゾンよりダンジョンコアの話だよ!」
-あ、やっと本題に帰ってきた-
「どうせなら、セリフだけじゃなく行動もユニゾンして欲しかったッスね」
「だから、ユニゾンじゃなくてコアの話に戻せってば!」
-……-
「……」
「……」
って、今度はジークしか乗っかって来ないのかよ!
せっかく頑張ったジークが滑ったみたいになったじゃねーか!
…仕方ない、そのジークの頑張りを無駄にしないためにも、
ユニゾンとコアの話を同時に進めてみるか…
確かにさっきの映像は、セリフこそ見事なユニゾンだったが、
行動は?と言うと、際立って違っていた部分があった。
その違っていた部分というのは、元のコアの扱い方だ。
両者とも『すごいコア』だと歓喜していたにもかかわらず、
営業マンは手荒に扱い、作業員は丁寧に扱った。
そもそも『ひとの言動なんて、そうそうユニゾンしない』のが当たり前で、
普段なら、コアの扱い方の違いなど気に留めるものではない。
気に留めたとしても、せいぜい、
『営業屋と技術屋のコアに対する価値観の違いを見た』
くらいにしか思わないだろう。
だが、見事なユニゾンセリフを聞かされた後では、
その違いが、逆に当たり前とは思えなくなってしまった。
もしかすると、見事なユニゾンセリフも、
セリフが同じなだけで、その意味は全く違うのかもしれない。
実際、一番最初のタイムシフト映像でも、
単語は同じ『マスター』なのに、それぞれ違う人物を指していた。
ついでに、娘さんの『マスター』にも、二つの違う意味があるし…
ここは、頑張ればひとの心情すらも訳してのける《ggrks》翻訳で、
さっきの映像のユニゾンセリフを字幕補完してみるか…
<が…頑張ります…>
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「こいつは…すごい(オンボロ)コアだな…」
「こいつは…すごい(オタカラ)コアだな…」
「…(いつ壊れてもおかしくない。)早くコアを交換するぞ」
「…(コイツがコアをぶっ壊す前に)早くコアを交換するぞ」
「ここまですごい(オンボロ)コアなら、確実に(レンタル契約が結べるぞ)…」
「ここまですごい(オタカラ)コアなら、確実に(核製造機の動力になるぞ)…」
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「こ…これは!…よく頑張ったぞ、《ggrks》」
「本当に同じセリフでも、まるっきり違う意味になてるッスね…」
営業マンは、うちのコアを見た目通りの『オンボロ』と判断したようだ。
その上で、壊れる前に急いで新品に交換しようとしている。
そしてコア交換後のレンタル契約に思いを馳せているようだ。
契約前に勝手に交換しておいて、手荒な扱いをすると言うのもどうかと思うが、
とにかくオンボロのつもりでいるから、その扱いも手荒なんだな…
一方作業員は、見た目に惑わされず『オタカラ』と判断したようだ。
そして、はなから営業マンがコアを手荒に扱うと見抜いているのか、
営業マンに壊される前に急いで交換しようとしている。
そして、交換後は――
って、ちょっと待て!
(コア製造機の動力になるぞ)…だと?




