序章・転裏
『さて…と』
マナトを光で包むと、大主は今日一番の穏やかな笑顔で女神に向き合った。
『マナトにはどんな能力が相応しいだろうねぇ?』
『…大主さまのお心のままに…』
女神はひれ伏した状態で震える声を発した。
『おやおや、大主なんて仰々しい…アイツと呼んでくれていいよ』
『滅相もない…失言を撤回してお詫びいたします』
『いやいや、女神様に大主なんて呼ばれては私が恐縮するばかりだよ…』
『重ね重ね撤回いたします。』
本来のミラは従属神であり、女神より数段階下である。
大主は、自称女神のこの女の処遇をどうしたものかと思案しはじめた。
なお、女神を名乗ったことも、大主の留守中に異世界転生を行ったことも
実は、大した問題ではない。
せいぜい、新入社員が酒の席で酔った勢いで
「いずれ社長に俺はなる!」
とかなんとか言いながら部長に無礼を働いた程度の事だ。
転生者の魂をなかったことにしてしまったのも問題だが
対象の転生者は下種だったので結果的にはまぁよしとしよう。
一番の問題はレイの一件に関わった転生者がまだ居ることにあった―――
想定外に序章が伸びてしまいました…
ようやく第一章と相成ります




