141 すれ違う想い(字幕付きタイムシフト再生)
地域の長であるナイスガイに営業をかけたところ、
『管理はマスターに全権譲渡している』
『それでは、管理するマスターと直接話させていただきます』
という事で、冒険者ギルドを訪ねたところ、オッサンに、
『ダンジョン管理は全て盗賊ギルドの受付係に任せてある』
と言われて、盗賊ギルドの受付に来たようだ。←いまここ
「そちらのマスターから
『管理は全て盗賊ギルドの受付係に任せてある』
と、お伺いしたのですが、あなたがそうですか?」
「いえ。私は冒険者ギルドの所属でして、
現在、盗賊ギルドの受付係はこちらのM-IRAさんのみとなっております」
はぐれモブがM-IRAを営業マンに紹介すると、
M-IRAは、唐突に
『ますたぁは、あたしに、すべてをまかせるっていってたよ』
などと言い出した。
『ますたぁがすべてまかせる』…だと……?
全く身に覚えがないのだが…
よし、ひとまず保留にしよう。
「なんか見事に全員の主語がバラバラッスね」
っていうか、ナイスガイよ…
全権譲渡先にダンマスを含めて本当にいいのか?
-ダメって言っても、勝手に好き放題やるくせに…-
…否定できない…
ところで、はぐれモブ。
お客様に職員を紹介する時は、職員名に敬称は付けない方がいい。
それと『現在、盗賊ギルドの受付係はM-IRAのみ』
というのは、一応間違ってはいないけど、それよりは、
『現在、ギルド舎内に居る盗賊ギルドの受付係はM-IRAのみ』
と言うべきだ。
なぜなら『下っ端受付係』と『兼任受付嬢』も一応盗賊ギルドの受付係で、
オッサンが全てを任せていると言った受付係も、このふたりのことだからだ。
それを『ギルド舎内に居る』を省いて『のみ』と言ってしまうと、
お客様には『外出中の受付係が居る可能性』が伝わらずに、
M-IRA一人しか所属していないような誤解を招くから気を付けて!
-え?…マナトのセリフが…あれ?-
「ん?何かおかしかったか?」
今のご時世、強く言うとパワハラだのモラハラだの言われるから
極力言葉を選んでみただけだが…
あぁ、そうか!
「【俯瞰】映像に言っても本人に伝わらないのか…」
-そうじゃなくて…先生!マナトが常識的なこと言いだした!-
「ゴルァ!ネコ!俺が非常識みたいに言うな!」
「先生!マナトさんが、たわ…うわごと言い出しました!」
「ゴルァ!娘さん!そのルビはどういう意味だ!?
そして、高熱でうわごと言ってるわけじゃないから!
っていうか今、確実に『たわごと』って言おうとしただろ?!」
「先生はマナト君を保健室に連れて行くので、皆さんは自習していてください!」
「だから!どこも悪くないから!そして保健室とか無いから!」
「ところで、アニキ。『すべてをまかせる』なんていつ言ったッスか?」
「お前も…じゃなかった!なんで乗っかってこないんだよ!」
「ええ…難しいんスよ…」
ってうか、アニーと娘さんはミラ先生との接し方に完全適応してやがる!
一方ジークには、一度徹底的に教え込まなくてはならないようだ。
まぁそれは、また今度にするとして、
俺はM-IRAに『すべてをまかせる』なんて言った覚えは本当に一度も…
…あ!あったわ…
129話で確かに『新人受付獣に全てを任せる』と採択してるわ。
だがM-IRAよ。
それは『例のチンピラの対処のこと』であって迷宮管理の事じゃない…
というか、そもそもセリフとしては言ってないんだぞ!
なんで、みんな地の文をセリフとみなすんだよ…
もしかして、俺、声に出してるのかな…
アニー:マナトしょっちゅう声に出てるよ?
マナト:マジでか!
娘さん:気付いてなかったんだ…
ジーク:アニキ、かなり独り言多いッスよね
先生 :まぁ、全部が全部声に出てるわけじゃないので…
マナト:…どれが声に出てるかわからんのが一番困る…




