137 ミラ先生が教えるダンジョン管理学 大復活SP
ミラは、転移門で一度家に戻ると、速攻でソレに着替えて、
ダッシュで戻ってきた。
そう…みんな大好きミラ先生だ!
実は墓前試合後に頼まれて作った、
娘さん用の新米教師セットがあるから、
一度は娘さんにも着替えてもらって、
担任ミラ先生の副担任としてお越しいただいたのだが、
ミラ先生と口調がもろかぶりして区別がつかなくなったため、
ボツにしたのは内緒の話だ。
それは置いておくとして、
ついでに、元々あった方の天然モノも再生成して、
人工コアとの比較対象として置いておくとして、
それでは先生お願いします。
「では、核の授業を始めます。コアの性能は、体積と密度(重量)に比例します」
この『人工コア』は元々あった『天然モノ』より、かなり大きい。
コアの形状は、
まずCGのような円筒状のバリアレーザーを放つ台座があり、
その円筒状バリアの中に水晶球が浮いている感じなのだが、
天然モノは、円筒にすっぽり収まっていたのに、
人工コアは、円筒からはみ出てしまっている。
「この人工コアは、マナト君のアレより、おっきいですね」
「ストップ!先生!セリフがヤバい!ダンジョンコアをアレと呼ぶんじゃない!」
そもそも、主語を省略するんじゃない!
『俺の『生成したダンジョンコア』より大きい』と言いなおせ!
‐マナトちっちゃいの?‐
「何がだよ?!」
-マナトはちっちゃくてかわいいなあ-
「待てコラ!なんでよりによって、そのルビ付けた?!」
完全にアウトだよ!そしてちっちゃくないよ!
「マナトさんのアレがちっちゃいのはわかりましたけど、
ワグナリアは、この世界にないのでわかりませんよ?」
「だから、ちっちゃくないよ!そして完全にわかってんじゃねーか!」
娘さんまで、ダンジョンコアをアレと呼ぶんじゃない!
それと『永遠の16歳』なら、こんなネタに乗っかって来るんじゃありません!
「マナト君のモノがちっちゃくても、先生には充分おっきいですよ?」
「だから、ちっちゃくないってば!」
先生これでツーアウトだよ!『天然モノ』の『天然』を略すんじゃない!
セリフがどんどん主語を誤解する方向に進んでるよ!
むしろ率先して誤解させようとしてるだろ?!
主語は『ダンジョンコア』だからな?
次のセリフがヤバかったら、スリーアウトチェンジだからな?
「ところで人工コアは、なんか軽くないッスか?」
「だから、ちっちゃ…じゃなかった!なんで乗っかって来ないんだよ!」
「えー…乗っかるのが正解だったッスか…難しいッス…」
まぁいい、流れも止まったので話を本題に戻すか…
先生、続きをお願いします。
「重さの他にも違いがありますね。例えばマナト君のほうが硬くて黒い…」
「ストーーーップ!先生!スリーアウト!チェンジ!」
主語を略すなと何度言えば!!
もうここからは俺が代弁だ。
確かに、この人工コアは天然モノより大きいが、見た目のわりに軽い。
これはおそらく、密度が小さいからだろう。
質感も塩ビ樹脂のような感じで、なんとなく柔らかい。
対して天然モノは密度が大きいらしく、見た目よりかなり重い。
そしてその質感は、見た目通りの水晶球と言った感じで、硬い。
色にしても、密度が関係するかどうかは知らないが、
密度スッカスカの人工コアは、光を透過していて透明なのに対し、
密度が大きい天然モノは、光を完全に吸収しているのか、漆黒だ。
「つまり、見た目はちっちゃくても、おっきくて、硬くて、黒い俺のモノのが…」
「アニキ…スリー通り越してフォーアウトは、アウトにも程があるッス…」
おっとついうっかり…
とにかく性能は俺の生成した天然モノの方が人工コアよりもはるかに上なのだ。
だが、こうして見ていると人工コアは、
『最後の幻想』とか言うRPGの要所に出てくるアレみたいな感じで、
オブジェとして使う分には、とてもばえそうなシロモノだな…
この際六角形にカットして浮かべておこうかな…
いや、それなら最初からそれ目的で生成した方が…
それよりも、いっその事【創成】してしまおうか…
ついでに、それメインのイベントダンジョンも造っちゃおうかな…
って、それはあとでゆっくり考えるとして、
長年の疑問が解決した後は、本題の『無料点検の人』の解決だ。
今すぐ戻って直接話をするべきところだが、
もう交換が終了しており、元のコアもぶっ壊れたとの事で、
既に話は最終段階に来てしまっている。
ならば、最低限の情報は集めておくべきだ。
ここは『【俯瞰】タイムシフト高速再生』の出番だな…




