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女神(自称)の御業の後始末  作者: ゆんど
第一部・第四章
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135 ダンジョンコアの異変

どうやら、恐怖心限界突破の涙目ミラ型巡航ミサイルが

『ヒュン』という音を立てながら、俺の胸に飛び込んできて

『ドゴン』と俺に命中したかと思うとそのまま、

『がしっ』と熱烈な抱擁(ボーンクラッシュ)をかましてきて、

『ばきぼきべきばき…』ということのようだ。


俺の消し飛んだ意識を引き戻したのは、

娘さんの管理端末と、俺の〔巣窟都市(すくつたうん)ぽーたぶる〕が同時に発した

自律型管理ユニット(ダンジョンコア)の出力低下を知らせる緊急アラームの音だった。


どうやら、100層迷宮第一階層のダンジョンコアに異常が発生したらしい。

コアがぶっ壊れたかな?

だが、どっかの童話作家じゃあるまいし、

そう簡単にぶっ壊れるような、やわな生成をした覚えは無いのだが…


ただ巣窟都市(すくつたうん)は、結局のところゲームアプリだ。

もしかすると、管制プログラムになんらかのバグがあって

ダンジョンコアの生成段階で不具合が生じている可能性も考えられる…


「マナトさま。とりあえず見に行ってみませんか?」


そうだな…

-で、今はそのコアユニットを見に来たところなんだよね?-


あぁ、そのはずだ。

そのはずなのだが、正直俺は戸惑っていた。

なぜ戸惑っているかと言うと、そこにあったのが、

『新品同然の輝きを放つ透明な水晶球』だったからだ。


俺が生成したのは、

『どう見ても発掘された古代遺産』を思わせるような

『オンボロな黒い水晶球』である。

まぁ、見た目こそオンボロだが、実際は生成したての新品なのだが。


「なんだ?これ…」

「私の管理端末では『自律型管理ユニット』となってますよ?」


まぁ娘さんの管理端末がそう表記するならそうなのだろう。

正式名称『自律型管理ユニット』…通称『魔力型自動維持管理用核(ダンジョンコア)』である。


ところで、この魔力型ダンジョンコアの動力だが、

俺は当初『魔力型と言っても電力なんだろ?』と思っていたのだが、

アジトワゴンの動力と同じ『ファンタジックな謎パワー』だということが

最近になって判明した。


どおりで、余所の管制部スパコンは機能停止しているのに、

魔力型ダンジョンコアは稼働できているわけだ。

ファンタジー万歳。


いや、万歳なんかのことよりも、なんでコアがこんなことに?

もしかして、ダンジョンコアってぶっ壊れたらこうなるのか?


ぶっ壊れたらまるっきり別物になるあたり、本当にどっかの童話作家だな…。


などと独りブツブツとアレコレ考えていると、

当の童話作…もとい、

ミラが『蒲焼にしますよ?』と言うような目で、俺を見つめ(にらみ)ながら教えてくれた。


「マナトさま。これは以前お伝えした、人工のダンジョンコアです」

「何それミラさま!part4!」


いや、人工のダンジョンコアの事は知ってるぞ?

余所の地域には、人工ダンジョンコアの製法を知っているギルドがあって、

そのギルドは、人工コアの販売やレンタルで稼いでるとのことで、

その性能は、はるかに『天然モノ』に劣るが、

それでも、コアが壊れたり失われたりしている迷宮を抱えているような

管理責任ギルドからのニーズが高く、大変重宝するらしいという代物だ。


ちなみに、うちの迷宮に設置してあるダンジョンコアは、

俺が巣窟都市(すくつたうん)で生成しているから『人工』ではあるが、

一応古い迷宮で発見されるものと同じ『天然モノ』扱いになるようだ。


今、目の前にある()()が、その人工ダンジョンコアなのか…!


って、ちょっとまて!

…なんで人工ダンジョンコアがここにあるんだよ!?

俺の生成した『天然モノ』はどこにいった?!


もしかして、元の世界の某半導体製品の、

『基準に満たない上級製品を、そのまま下位互換製品として流用』

みたいな感じで

『人工コア』というのも実は『天然モノの()()()()()()』のことで、

逆に、天然モノが劣化したら人工コアっぽくなっちゃうとかそういう事なのか?

などなど、納得できそうな事例は思いつくものの、

結局のところ、わけがわからないまま混乱する俺の耳に、

唐突に届けられたのは、


『ますたぁ、きこえる?』


などという《隷属の首輪》の聴覚《共有》によるM-IRAの、のんきな声だった。

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