序章・前1
駄文に少々お付き合いいただけたら幸いです
「…俺…何してたんだっけ…」
俺は唐突に薄暗く見知らぬ空間にいることに気が付いた
齢99の高齢の身で、運動能力に不安はあるが記憶力は若者並と自負している。
先ほどまで、確かに家にいたはずだ…
ふと自分の体に触れてみるが感触がない…
慌てて体に目をやるがその体は一向に見えない。
決して薄暗くて見えないわけではなく、見えるべき場所に体がないのだ。
「あ、今の俺、魂ってやつか?」
そうか…あと数時間で大台の100だったのに惜しいことをした…
―随分と冷静なのですね?―
独り呟いていると、女性の透き通った声が自分の体内…魂内?に響くように聞こえてきた。
「それはまあ、長く生きてきて今更動じるような事は起きないからな」
言いながら周囲を見回すが、声の主らしきものの姿は見えない。
―下を見てください―
言われて視線を下に向けると白い猫がそこにいた。
猫が喋るくらいだ、本当に現世ではないのだろう。
「ここはあの世ってやつであんたがお迎えかい?」
猫に問いかけるも、その猫は静かに首を横に振った。
―確かに貴方をお迎えにあがりましたが、あの世ではありません。貴方の魂を呼び寄せたのは我が主です―
え?ありがち?つまらん?もうちょっと…もうちょっとだけ読んでってくださいよ~