5 雪玉ウサギ
俺は茂みからモンスターを見ていた。雪玉ウサギだ。
まん丸の真っ白な体に耳が付いており足はなく跳ね回っている。
雪玉ウサギは雑食で攻撃方法こそ単純に噛み付くだけだが、それなりに価値のある素材を落とす。
「ここだ!」
俺はナイフを投げる。
「くそっ!」
外れた事で雪玉ウサギが迫ってくる。
正面から向き合い剣を構える。跳ねて飛びかかってくる雪玉ウサギを切り伏せる。
「よし!」
俺は雪玉ウサギの落とした素材を確認する。
「雪玉ウサギの耳か、まずまずだな」
これは女性の装飾品として用いられる事があり、それなりの値段で取引される。
「次に行くか」
そう言って俺は立ち上がりさらに進んでいく。
黒い塊がある。
「見た事ないな?なんだあれは?」
気になって遠くから近づいてみる。
なぜか黒い雪玉ウサギだ。普通の雪玉ウサギにフクロにされている。
レアな素材が落ちるかもしれない。
そんな期待を胸に見守る。
「しかし、同族に殺されるのは見てて寝覚めが悪くなりそうだ」
ふと、視線が合う。黒い雪玉ウサギとだ。
(助けてほしい)そんな気がした。
「しょうがない、いくか」
そうして、5匹ほどの雪玉ウサギに駆け出すのであった。