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2 出発前夜
俺は冬のダンジョン篭りに向け作物の収穫をし、剣を磨いていた。
同居しているデザイナーに家畜の世話は任せてある。
「終わったよ」
筋骨隆々なモヒカンの男がそう声をかけてくる。彼はテズ。一緒に住みはじめて十年になる。
俺たちは親に迷惑をかけるくらいならと、10歳の時に二人で家を借りた。はじめのうちは農業の傍らお互いに下働きをし、日銭を稼ぐ日々だったが三年ほど前から家畜を飼えるくらいには安定してきた。
彼はデザイナーとして武器や馬車のデザインを生業としている。
「いつもすまない、明日からダンジョンに行くが、いつも通り頼んだ。いつまでも帰ってこなかったらその時は頼んだ。」
「分かっている」
俺はダンジョンで死んだ時のために彼にお願いをしている。
その事を確認し寝室に向かう。荷物は二週間ほどかけて準備を終えてある。
明日に備えて今日は早く寝よう。そう決意しテズに挨拶をする。
「おやすみ」
「ああいい夢を見てくれ」
テズはそう返すと自室に戻っていった。
俺はリビングにあるソファーで眠りにつく。
明日は出発の日だ。