984話 情報収集
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「さて、下郎の諸君。聖戦と言って隣国に攻め入り、その国民を連れ去り、更に物資を盗んだ、大罪人共。俺の気が変わらないうちに質問に答えてくれよな?」
19人いる、士官らしき奴らに話しかける。
2人少ないのは……地面に突き刺した後、助けるのが遅れて窒息死してしまいました。
ただ気絶するだけだと思ってたけど、普通に考えれば、息が吸えないんだから死んでもおかしくなかったんだよな。
死んだところで、心も痛まないけどな。
「それにしても、こいつ等は人の言葉を理解できないのだろうか?」
両手足を縛られ、地面に転がされているのに強気でギャーギャー言っているのだ。本当に面倒な奴らだ。さっさと情報だけ吐きやがれ!
面倒になったので、脅しましょうかね。
地面に転がされている中でも一番元気な奴を掴み上げて、殴りつける。先程と同様に地面に突き刺さり、苦しいため縛られた状態で暴れている。
「さて、分かってくれたかな? 俺たちは情報がほしいんだ。早く吐いてくれれば、あそこで地面に突き刺さってる奴がたすかるぞ?」
「人でなしが! こんな事をして良いと思っているのか? 私たちは、聖国から選ばれし聖戦をした英雄だぞ! 万死に値する所行だ!」
「お前等さ、ちょっとは考えて発言しようぜ。こんな事って言うけど、お前等は獣人や奴隷をいたぶり犯し殺してるだろ? それなのに自分たちがその立場になったらこれだもんな」
「奴隷? 獣人? 何を言っている、あいつ等は私たちとは違う。人ではないのだぞ? 物なのだから、持ち主の思うままにして何が悪い!」
「うわ~、頭痛くなる理論だな。そっか、奴隷なら物だから持ち主の思うままにしていいのか……なら、ツィード君特製の奴隷の首輪をプレゼントしよう」
そう言うと、顔を青くして芋虫のように這って逃げる士官らしき奴らを掴み上げ、奴隷の首輪を付けていく。
「よし、これで俺の物になったわけだな。これで何をしても文句は言われないと言うことだ」
「ご主人様……こんなどうしようもない馬鹿な奴隷がほしいのですか? 私たちは、近寄りたくないのでご主人様が管理してください。あっ、臭いので置いておく場所は注意してくださいね!」
速攻で文句言われた。
「臭いとは何事か! 我等を誰だと思っている! この獣風情が! ガフッ! 痛いではないか!」
「痛いではないか! じゃないわ! 俺の道具、奴隷になったのに勝手にしゃべるな!」
「ふざけるな! 勝手に奴隷に出来るわけ無いだろうが!」
「まてまて、お前等だって隣国の国民や獣人を勝手に奴隷にしていたのに、自分たちがやられたら、言い訳するの? 自分たちが今まで相手にしてきたことだぞ?」
俺は、本当に分からないと言った表情をして聞き返してみるが、
「獣人は人ではない物だ。隣国の奴らも、我等の教えをバカにする邪教だ。邪神を信じているなら、それは人ではない!」
うっは! ここまで言い切るのか。
「じゃあ、お前等も人ではないな。この世界の神を知っている俺からしたら、お前等の信じている神は、神ですらない! そんなのを信じているなら、お前等も人じゃないんだな。
あっ、お前がどれだけ自分の国のことを知っているか分からないけど、反論は必要ないよ。ただ、俺は真実を知っているだけだからな」
そう言うと、ギャーギャー騒ぎ出したので、顔面を殴って地面に突き刺す。
「俺が反論の必要がないって言ったのに、ギャーギャーうるさかったからな。それで、こいつを助けたいと思うなら、サッサとはなしてくれないかな?」
「勝手に奴隷にするな!」
違う奴がまたそんな事をのたまう。
「それなら、今までにお前等が勝手に奴隷した人たちを全員解放しろ。勿論解放時には、奴隷として働いてきた時間に見合った報酬もな! って、無理か。いつからこんな事をしてるか分からないけど、お前等が殺した人たちもいるんだから、全員解放なんて無理な話だ。だから、諦めろ」
「お前、今ならまだ、そこの娘共と獣人を引き渡せば許してやる! ガフッ! 痛いだろうが! ふざけるな!」
「ふざけるな……か。それは俺のセリフだ。俺の道具風情が何を要求してやがる、てめえに許されてるのは、俺の質問に答えることなんだよ! 余り調子に乗るなよ? 殺したくなっちまうからな」
「なっ! 殺すだと! そんな事をして見ろ。お前の一族郎党すべてに裁きを下……っ!」
口を塞ぐようにして、顔を鷲掴みにする。
「お前の命は教皇より重いのか? というか、俺の正体を知ってそんな事言ってるなら、たいしたものだけど、知ってたらそんな事言わないよな。俺は、ディストピアの領主、シュウだ。お前等からしたら、ミューズの新しい領主だよ。戦争をしてぼろ負けしたのにな。まぁいい。お前の結末は変わらないさ」
こいつの代わりに応えてくれる奴を探すが、いなかった。
「誰も話してくれないなら仕方がないな。お前等は処分しよう」
そう言って、思いっきり手首を捻り首の骨を折った。そのまま地面へ投げ捨て、違う道具の元へ近付く。
「ま、まってくれ、何でも話すから命だけは助けてくれ!」
人を簡単に殺せるようになった自分にもビックリだけど、それ以上に1人目を殺したらすぐに話すようになった事にビックリだよ。こいつら死んでも情報を守ろうとしないのだろうか?
聞きたいことは大体聞けた。
聞いていた内容から、予想していた物からほぼズレのない内容だった。
獣人の奴隷を大量に失ってマンパワー不足
自分たちで何とかしようとするも、楽な生活になれた中級階級以上の人間は新しい奴隷を欲しがる。
獣人を奴隷にするのは禁止されているので、隣国の聖国の教えを否定する国を邪教として処理
その国の民を奴隷にすれば問題解決
と言うことらしい。本当にくだらん。
ただ、その話の仲で胸くそ悪くなったはなしがあった。
獣人は奴隷に出来ないけど、人じゃないから痛めつけたり犯したりと、やりたい放題だったようだ。今度、また教皇に挨拶にいこうか。
「全部話したんだ、助けてくれよ」
「お前等は、助けを求めた獣人や奴隷を助けたのか? 道具何だから、壊れたら次を探せばいいからといって、助けてこなかっただろうな。でも、優しい俺はチャンスを与えようと思う」
話をいったん区切って、様子をうかがうと……本気で安堵している様子がうかがえた。
「だから俺は、お前等が奴隷にする予定だった人たちに許してもらえるのであれば、命も助け奴隷からも解放してやる。お前等の国が本当に正しい行いをしていたのであれば、お前等の罪は許されるだろう」
それを聞いた士官らしき奴らは、顔を青くしていた。
自分たちが悪いことをしていた自覚があったようだ。万が一にも助からないだろうけど、本当に許される奴がいたのなら解放をしてやろう。
17人に減ったこいつ等の首にロープを結び付け引っ張っていく。
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