982話 作戦開始
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「ということは、危険は無いと言うことでしょうか?」
ピーチがビクビクしながら俺に聞いてきた。
「そうだよ、地震といって俺のいた国で揺れの大小の違いはあるけど、1日に何回もあるんだよ。あそこまで大きいとなると、体験したことはないけど俺が向こうにいた期間に、あれ以上の地震が4回位はあったかな? みんながこんなに驚くとは思ってなかったんだよ。本当にごめんね」
再度、みんなに謝ってから、話を進める。
でも、みんなには悪いけど、ここまで驚くことなら地割れが起きても不自然じゃないから悪くないな。
不自然でなくとも、地割れを起こせる人間なんて普通いるとは思わないか? どちらにせよ、次は盗賊軍隊の処理をしないとな。
「ご主人様、思ったんだけど……住人を助けるのはいいけど、盗賊軍隊はどうするの? 殺さないようにとは聞いたけど、そのまま逃がすの?」
ふむ。助けることは考えていたけど、助けた後、正確には盗賊軍隊を倒した後の事をしっかりと考えてなかった事に今気付いた。
「そういえば、盗賊軍隊の方は引いてもらえば、それでいいかなって思ったけど、あの国の民を連れて帰れない程度に痛めつけるなら、あいつ等が無事に帰れる保障もないよな。マジでどうすっか……」
「略奪に参加した人たちは、見せしめにしたらいいと思うの!」
シェリルが物騒な事を言い始めたぞ!?
「シェリルちゃんの言う通りかな? 見せしめに全員奴隷にでもしたらいいんじゃないかな?」
ネルが殺すのではなく、奴隷に落とせばいいのでは? みたいなことを言ってるけど……
「そうですね。国同士だから面倒な事になっていますが、人を奴隷として狩る盗賊は法律に当てはめると、死刑や奴隷落ちの国が多いですからね。
それに、死刑や奴隷落ちではない国は、死ぬ可能性の高い鉱山等での強制労働だったりするので、盗賊軍隊を国に帰すのはよろしくないと思いますが」
確かに、法律的に考えると、そのまま放置して帰ってもらうっていうのは無理だよな。
いかに国からの命令とはいえ、盗賊行為をしたんだから犯罪奴隷として捕らえても問題ないか。
「となると、当初考えていた後ろから倒していくのは拙いか? いや、救った者たちを後ろに下げるなら大丈夫か?」
「ご主人様、それってよく考えたら、ある程度の兵士が死んでいる事が条件ではないでしょうか? もしある程度動けるだけの力が残っていれば、兵士なら一般人など問題にしないかと思います」
確かに言われたとおりだな、兵士なら多少弱ってても普通の人達なら抵抗も出来ないよな。それなら、端から縛り上げてしまった方が楽かもしれないな。
「みんな、殺さないのは方針として、逃がす方針から捕らえることにしよう」
「ご主人様。捕らえるより殺す方が楽ですよ……逃がすよりも面倒です」
「今さっき思いついたことだけど、穴掘ってそこに放り込んでおけばいいと思ってる。底に水でも貯めておけば、落としても死なないだろうし、死にたくなければ汚れた水でも飲むと思うから大丈夫じゃないか? どうせ死んだところで問題ない奴らなんだから、そこまで考えなくてもいいかなって思い始めたよ」
とりあえず、みんなが納得してくれた。それなら逃がすよりも簡単だと思う! と年少組が気合いを入れだしたので、問題はないだろう。
その後は、どこから攻めるかの話し合いが始まった。
やっぱり、捕らえるなら……穴に捨てるなら後ろからいくのがいいと言うことになった。効果としては、穴から出てこなければ死んだのと大して変わらないからな。
「よし、みんな! 作戦地域に着いたよ。明日の朝までに5個ある野営地のうち2個は落としておきたいから、みんながんばるよ!」
略奪軍隊の援軍野営地にクダスンデス改を撒いてから約1日、クダスンデス改の効果を確かめてから約半日。
夜の作戦に備えて寝ながら馬車で移動をして、襲撃ポイントに来ている。だが、助けた後を任せる軍隊は、義勇軍に1日程遅れて出発している。
ここまで来るのに、後3日くらいかかるかな? それなら、ひとまず義勇軍に住人たちをお願いするか? 義勇軍も攻めるより、住人たちの保護を優先してくれるだろう。
どうせ3~4日で軍隊が到着するんだからな。よし、そうしよう! 食糧があれば問題ないから……
「作戦第一目標、住人の保護。第二目標、食糧の確保。第三目標、兵士たちの捕獲、穴への捨てる事だな。みんな大丈夫?」
「問題ないの! 私たち年少組が先行して、住人たちの周りに結界を張るんだよ!」
「そして、年中組と年長組の斥候で食糧を奪取してきます。次にタンク組でシュリを中心にチェインバーストをつかって、穴に投げ落とします。残りは、サポートとして立ち回ります」
俺が寝ている間に色々と話し合いが進んでいたようだ。通りで起床時間よりみんな早く起きていたわけだ。俺だけ仲間外れ? それはそれで寂しいな。
「役割が決まってるなら、俺から言うことは1つ、自分の身が最優先だ! 自分たちとそれ以外を天秤にかけるなよ! 俺はタンク組の方に回るから頼むよ!」
そう言って俺たちは出陣する。
まず初めに、魔法組に大穴をあけてもらい、水を流し込む。次に住人と兵士の位置をマップ先生で確認する。
住人が中心にいて、それを囲う様に兵士が配置されている。年少組のメンバーは、その中心へ行き協力して広域に結界を張った。
結界が張られたことを確認すると、斥候組のメンバーが食糧や荷馬車を回収しに野営地に侵入した。
しばらくすると、野営地が慌ただしくなる。斥候組が見つかったのか? 心配になってきて飛び出そうとしていると、ビーチから
「斥候組が荷物や運搬道具を回収して、予定通りに兵士達に発見されたみたいです。こっちに兵士が集まってくるので、タンク組は準備を!」
わざと見つかったのか? そのまま兵士を引き連れてここにくると……考えられている作戦だな。
結構な数の兵士が斥候組を追ってきた。タンク組がチェインバーストを使って、10人単位で絡め捕り穴の中へ放り込んでいく。
シュリに至っては、1度に50人近く放り込んでいる。
10分もしないうちに追跡してきた兵士は穴の中へボッシュート。
さてと、野営地に残ってる奴も穴に突き落としますか。
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