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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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764話 日常に戻ったと思ったら

アクセスありがとうございます。

 これからの予定を聞かされて、目が点になってしまった。1ヶ月ほどはやる事が決まってしまっていた。大体1週間毎にやる事が系列化されていて、分かりやすいのだが俺はもうちょっとのんびりしたいのだ!


 っといっても、決まった内容の事を考えると、おいそれとバックレるわけにはいかないか。


 1週目は、第一次産業の農業、林業の見学と交流。


 2週目は、第一次生産の漁業、第二次産業の海産物の加工の見学と交流。


 3週目は、第二次産業の加工場、鍛冶の見学と交流。


 4週目は、第二次産業の鉱業と建築業やインフラ系の土木業の見学と交流。


 5週目は、ディストピア初のお祭りを開催。


 1週間と言っても、土日は休みなので、5日間なのだが……5日も見学と交流をするのか? とも思ったが、これでも時間が少なくなるように調節した、と言われてしまえば何も言えなくなってしまう。


 それにしても祭りか、今までそんな事考えた事も無かったけど、収穫祭なんかはやってたはずだけど? と聞いてみると、あれは収穫祭、今回のはお祭り、だから違うと言われた。何が違うんだ? 出店みたいなのが無いからか? っても、あの時も屋台とかは出てたしな。


 たまには、住民の人たちと交流を持ってほしいと、住民からの訴えもあり、妻たちがその流れに乗って俺の予定を入れたようだった。


 最後に、俺が自分で立ち上げたというには語弊があるが、このディストピアで基礎を作った職業の事が、気にならないのかと言われた。何故最初にそれを言わない! 確かにやり方と初めの方だけ手伝って、放置してるからな。この機会に確認しておくか。


 ちょうど週初めの今日から開始という事だった。ちょっと遅くなっちゃったな。決まった事をとやかく言ってもしょうがない、やれる事はキリキリやっていこうか!


 今日は、農業の見学からだ。まずは畑エリアに行かないといけないんだよな? どうやって移動するのかと思ったら、外にはすでに馬車が準備されていた。


 俺の所有している馬車は、幌馬車と箱馬車だけだったのだが、王様とかが乗りそうなオープンカーならぬ、オープン馬車が準備されていた。そこで待っていたグリエルに、素直に感想を告げたら「シュウ様はご自覚が無いのですか? 十分王様の条件を満たしてると思いますが?」と返された。


 自分で街を作って、近くの街を支配下に置いて、他にもいくつも街を個人で所有している。確かにこの世界で言えば王様と名乗っても、間違いではない気がするな。小さい国なら1~2個の街しかない国も、この世界にはあるらしいからな。


 なんでこんな馬車に乗って移動かと言えば、王様みたいに街で手をふれという事ではなく、俺たちが視察? をしているのを住人に見せるのが狙いらしい。俺、よく街に出たりして買い食いとかもしてるから、みんな知ってると思うんだけどな。まぁ、移動しようか!


 ディストピアに面する、湖側の反対にある畑エリアに到着した。相変わらず、畑1つずつで見れば豊作と言っていいほど実っているが、隣接する畑で出来ている種類がカオスである。夏野菜の隣に冬野菜があり、それが両方とも生茂ってると言わんばかりの成長を見せているのだ。


 それに、俺の好物だという事で育てられている稲、広大な畑エリアの2~3割を占めているのではないかと思う。このおかげで、ディストピアの主食がパンから米に変わったと思われる。


 パンを焼くのと米を炊くのでは、かかる労力が違うからな。ディストピアでは火の調節がしやすい五徳も、リーズナブルに買えるので、必然的に米食になっていったと思う。


 だからと言って、パンが無いわけでは無い。こっちは、妻の内の誰かのテコ入れで、パン屋さんができているのだ。お金を出して美味しいパンを買うのが、ディストピアの流れだ。小ぶりの菓子パンや、総菜パン・サンドイッチなどもあり、ちょっとお腹が空いた時に食べれるようなものまで売っている。


 ディストピアでは、衛生面の問題がクリアされているので、トングでとって買うスタイルだが。他の街では商店に併設された所で、時間の余っている主婦を雇って作成し販売しているが、こちらはショーウィンドウタイプになっており、店員が1つずつ包むスタイルだ。


 ディストピア方式でやったところ、素手で触って買わずに戻したり、試食と言わんばかりにかじって戻す、等が当たり前だったためやめたのだ。


 っと、今は農家さんの話をっと思ったが、終始こんな最高な環境で野菜作りができる事を、頭を下げてお礼を言われ続け、少しげんなりしてしまった。


 みんなのためでもあるけど、俺のためでもある事を何度言っても理解してもらえず、疲れてしまった。でも、来た当初は、こんな広い畑を一から耕せなんて言われて、悲壮な顔をしていた人たちとは思えない位、今はいい笑顔をしているな。


 収穫が終わった畑に移動すると、デカいウサギ、ラージラビットがもしゃもしゃと、食事をしている姿が目に入った。


 大型犬位あるウサギが、可愛らしく食事をしている姿は和むな。あれが食用家畜として育てられていると考えると、そうも言えないが……あー遠くの畑に見えてた白い山みたいなのは、人じゃなくてこいつらだったのか。


 色々話を聞いていて初めて知った事があったが、このラージラビットたちの寿命は、約1年位なのだそうだ。魔物と獣の子という事もあり、長くは生きられないのかもしれないと、付き添っていたブラウニーが話してくれた。


 そして、寿命を迎えた時が一番おいしくなるという事も分かっており、畑エリアで自由気ままに過ごさせているらしい。不思議な生態だな。愛情をもって育てて、死んだ後も供養として、美味しく食す。ラージラビットも、生まれてきた事を喜んでくれるかな?


 話が進んでいくと、面白いというか俺には、興味深い内容の話を聞く事が出来た。


 初めの頃は、俺たちから指定された野菜や穀物、果物以外は、一番お金になる小麦を作っていたそうだが、お金に執着しなくても食べていけるお金が手に入る事が分かり、食事を豊かにするために、いろんな種類の作物を作り始めたとの事だ。


 単純に考えて、精霊とワームのおかげで連作障害が無いので、それだけでも倍は収穫できることになり、作物の成長速度が3~4倍も速いのでさらに収入は増える。


 おまけに、ディストピアができてから不作になるのは、年に1回位しかないので、お金持ちにもなるわけだ。不作の時も原因は、精霊の加護が無いわけでは無く、品種改良もしているからだそうだ。この数年でこの世界の数百年先の技術を、身に着けたかもしれないな。


 その後は実際に畑を回り、取り立ての野菜をいくつも味見をさせられて意見を聞かれた。俺の口に合うものを作りたいというのが、農業に携わっている人間の共通の意志のようだ。今度、バザールを紹介してやろう。農業や畜産に関わるものとして、意気投合しそうな気がするわ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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