762話 濃い1週間
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2個目の神のダンジョンを攻略してから、1週間が過ぎた。日常を送っていたはずなのに、何故か濃い1週間だった思ってしまう。
帰ってきたその日は特になかったのだが、神や眠りについた後に問題があったと言っていいと思う。爺神様が宣言通り現れたのだ。また会おうとか言ってた気がするが、早すぎんだろ! その時のやり取りはこんな感じだ。
『ほっほっほ、本当に攻略しおったな。ベルゼブブの人間形態にしてから、攻略されるとは思わなかったぞい。あの状態は、倒すのが困難と思われる設定にしておいたのにのぅ。さて、約束しておった褒美をとらせようと思うが、なににするかの?』
やっぱりあの発言は、あの形態のベルゼブブと戦わせるためにミスリードしやがったのか。てっきりヒントっていうから、倒しやすくするための方法だと思ってたのに、まんまと騙されたぜ。
まぁいい、褒美ってのはどの位のものを要求していいんだ? 可能な範囲が分からんと、答えようがないぞ。それとも爺神本人が決めてくれるのか?
『ワシが決めてもいいが、それだといらない物を押し付ける事になるかもしれんからのぅ。やっぱり決めてもらいたいところだのぅ。可能な範囲とすれば、実現できないモノでなければ、ほぼ無制限だと思ってくれていいと思うぞい。100パーセントとは言えないが、一応聞くだけ聞いてみるのはどうじゃ?』
なるほど、聞くのはただってことだな? 例えば1粒飲めば1年は歳をとらないみたいな薬や、飲めば時間限定で魔法が使い放題になる薬とかはできるのか?
『ふ~む、1年位は老化しなくなる薬は可能だが、不老になったお前さんに必要なのか? 魔法が使い放題になる薬は無理じゃな。
老化しない方は、システムに組み込まれているから作るのはたやすいが、魔力が無限大に関してはシステムに無いから不可能じゃ。ダンジョン限定で、DPを魔力に変換して使えるようにする事は、今のお前さんでも可能じゃぞ』
サラっととんでもない事を言いやがる爺だな。ダンジョン限定っていうのは、俺が支配しているエリア限定って考えていいのか?
『ちっ! 勘違いせんかったか。堕天使を見てたから、穴倉の方のダンジョンをイメージしてくれないかと、微レ存の可能性にかけてみたのじゃがダメじゃったのぅ』
微レ存っていつの時代の言葉だよ! っと爺神のペースに飲まれるとこだった。
『なんと、今は使われていない言葉だったか。ついこないだ使ってるのを見た気がするのだがな……』
神様の時間感覚ってあなどれねえな。それと、老化しない薬ってのは、死ぬまでの時間が延びるだけか?
『ん? どういう事か分からんのじゃが、イメージをするなら肉体の時間を止めて、老化を防止する感じかのう? ちなみに、細胞分裂の上限回数とかを気にしているのであれば、気にしなくても平気じゃぞ。知識や経験だけが、増えていく感じだと思えばいいのじゃ』
思ってた以上に有用そうな薬だな。プラスになるものは阻害せずに、マイナスになるものだけ無視できるってことか。他にっていっても、今は思いつかんな。その老化しない薬ってのは、DPはどれくらいで召喚できるんだ?
『そうじゃな、10万程あれば召喚できるようにできるじゃろうな』
簡単に全員分の薬を準備できるわけか。そう考えると大分安く感じるな。本来だったらもらえない物が、運よくもらえるようになったからこの辺で手をうつか。
『おかしなことを言う奴じゃな。本来なら1日でためられるDPが1万も行かないというのに、常識はずれじゃな。本来なら1個だけだして、ダンジョンに入る人間を増やすためのアイテムなんじゃがな。DPと相談しながら召喚していくアイテムじゃぞ。
どの世界でも不老は権力者の夢じゃからな。冒険者は命を懸けてその薬を求めて金にする。権力者は金を払って薬を手に入れる。そういう連鎖でダンジョンに人を呼ぶという事もあるのじゃよ』
世知辛い世の中だな。まぁその薬を召喚できるようにしてくれ。
『それだけでいいのかのぅ?』
今は思いつかんから、それでいい。
「これだけじゃ楽しませてもらった対価にならじゃろうから、何か思いついたらわしを呼んでみろ。タイミングが合えば話せるじゃろうからな。不老薬を召喚できるようにしておこう』
サンキュー。何か思いついたら連絡してみるわ。
と、こんな感じだった。
2日目と3日目は、年少組や土木組に連れられて、孤児の子たちとディストピアのいろんな所で、朝から晩まで走り回って疲れた。子供たちの体力を舐めてたわ。レベルが上がってても関係ないんだな。
4日目は庭で休んで本を読んでいたら、上からダマが降ってきて何事かと思えば、ハクのお気に入りの寝床で寝ていたみたいで、鷲掴みにされて俺の近くまで運ばれて落とされたらしい。ダマを慰めるためになでていたら、ニコがその場所を奪って、俺になでろって圧力をかけてきたしな。
極めつけは、おやつの時に、みんなの好物のお菓子が出たようで、先輩権力を使っておやつを取り上げられた時に、我慢の限界を超えたようで、仁義なき戦いが始まって、綺麗に手入れされた庭が……半壊した所で、スカーレットが庭に現れて自体が収拾した。
戦いに参加した、ニコ、ハク、コウ、ソウ、ダマの5匹は、暫くの間、食事がペットフードになって泣き付かれたが、シルキーたちには逆らえないので頑張れ! 一言応援をした。
5日目は、本当に何もなく平和に過ごせた。
6日目は、魔物の出産があって夜に急に呼び出された。その時思ったのは、魔物って出産するんだなって感じだったな。誰が産むのかと思ったら俺の移動をささえてくれた、ウォーホースだった。
馬の出産と同じ感じだったようで、ディストピアの獣医が問題なく取り上げてくれた。俺必要なくね? とか思っていたのは内緒だ。
そして今日、7日目だ。この1週間は、常に誰かが近くにいて、介助をしてくれていた。食事を食べる際にも全部介助されて、自分のペースで食べれなかったから、結構ストレスが溜まってね。妻たちの気持ちは嬉しいんだけどね……
栄養的には問題ないとシルキーたちが判断したので、最後に栄養剤を飲んでからエリクサーを飲み込んだ。
しばらくすると、無くなった腕の先の部分がむずがゆくなってきた。次の瞬間、痛みが体を襲って意識のブレーカがおちたのだった。
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