表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

685/2519

685話 フェピー的緊急事態

アクセスありがとうございます。

 いつものように朝ストレッチをして、朝食を食べた後に少し休んだら、一時間程スキルリンクの訓練を行い、汗を流しにシャワールームに向かおうとしていると、グリエルからの伝言だという事で、秘書が慌てて俺の家に駆け込んできた。


 今すぐという事だったので、ウォーホースを表に呼んで街の中心地まで爆走していく。


 慌てて来たわりには、グリエルの執務室にいた、グリエル・ガリア・ゼニスの様子は落ち着いている。


「今すぐにって呼ばれてきたんだけど、あんまり慌てていないのは気のせいか?」


 俺がそう聞くと、グリエルが答えてくれた。


「状況的には切迫? といっていいのでしょう……ですが、シュウ様が動いてくれるのであれば、すべてがひっくり返るので、そこまで悲観はしていません」


「ん? 悲観する程の、何かが起こってるのか?」


「ディストピアではないんですが、中立都市のジャルジャンから至急の連絡があり、王国がリブロフに向けて軍を出しているとの事です」


「はぁ? 何で今更王国がリブロフに軍を向けるんだ?」


「シュウ様はお忘れかもしれませんが、一ヶ月ほど前にゴーストタウンに来た勇者たちは、王国が召喚した勇者ですよ」


「すっかり忘れてたわ。というか中立都市に手を出すって事は、俺たちが出張ってくるのもわかってるのに、何でわざわざ攻めてくるんだ?」


「国王としては、おそらく攻めたくはないでしょうが、貴族という物は面子を気にする生き物です。それにシュウ様の実力を知らない貴族がほとんどですから、抑えきれなかったのではないでしょうか?」


「よくわからないけど、ジャルジャン……フェピーから連絡があったのは、援軍要請?」


「そうですね。ジャルジャンの戦力では厳しい数の戦力がきているようです」


「そっか……バッハとワイバーンを連れて行ってくるか?」


 グリエルとガリアは、引きつった顔をしているが、ゼニスは


「それはいいですね。ディストピアというよりは、この樹海の頂点だと思われる黒龍のバッハを従えたとなれば、ちょっかいも減ると思いますよ」


「ゼニスの言ってることはもっともなんだが……あの黒龍、バッハを使うのか? 正直支配下に置かれてると分かっていても、飛んでるのを見ると私は怖いのだが……」


「ガリアもか、私も頭でわかってても体が言う事を聞かん」


「そんなもんか? 俺のドッペルと……戦闘に耐えられるワイバーンは、何匹いるっけな? 五匹はいるから、ドッペル六体とバッハとワイバーン五匹を連れて行ってくるか。ジャルジャンに寄らないといけないとなると、どうするべきだ?」


「フェピー様には、こちらから連絡しておきますよ。そのまま王国の領土に入るのは拙いので、リブロフと王国の境界線位で待機してもらえれば大丈夫かと。もしかしたらもう中立地帯に、入ってるかもしれませんね」


「ん? マップ先生で確認してないのか?」


 グリエルの執務室に沈黙が流れる。俺は無言のままマップ先生を起動する。


「名目上、侵略軍と呼んでおくが、ちょっと調べた所、中央に近い貴族たちの街の騎士団が、複数集まっているようだな。そろそろ中立地帯に入るっぽい。


 気になるのが、王族の関係者や王都の騎士団は、いないみたいだな。これを見る限り貴族たちの独断だと思うけど……先に国王に会いに行くか。このスピードなら、どの位でリブロフにつくと思う?」


「軍事は専門ではないので、正確にはわかりませんが、明日には到着するのではないでしょうか?」


「至急って事だからそんなもんか。ってか、ジャルジャンの兵士たちがリブロフに間に合わないから、俺に援軍を頼んだって事か。ガリア、ミリーに伝言。全員を至急家に集めてくれって伝えてくれ。対応は、バッハに乗って俺が国王に会ってくる。


 向こうさんの意向を確認して、対処を決めてくるわ。ワイバーン五匹は、リブロフの防衛のために向かってもらう。一応グリエルは、ヴローツマインの竜騎士にも、出動するように命令してくれ。何かあったら連絡するから、魔導通信室には誰かに詰めておいてもらってくれ。ちょっと行ってくる」


 グリエルの執務室を後にした。


「シュウ様、ちょっと買い物行ってくるわ……みたいなノリで、行かれましたね。それが出来てしまうので、何の違和感を感じない自分が恐ろしい」


 グリエルが改めてシュウの規格外を認識した。シュウには一生分からない事だろう。


 何か面白そうと、ウォーホースと競うように走ってきて、一緒に休んでいたダマにバッハへの伝言を頼む。俺はウォーホースに乗って移動をしようとしたら、ミリーが待ってと声をかけてきたので、一緒に乗って家に戻る。


 家の近くで仕事をしていたメンバーが六人程いて、それらの次に俺は戻って来たようだ。マップ先生で確認すれば、みんな急いで戻ってきているのが分かるので、後二十分もしないうちに全員集まるだろう。


 食堂で、ブラウニーに飲み物を準備してもらい、ゆっくりしていると全員が集まった。


「急に集まってもらってごめんね。簡単に状況を説明すると、中立地域のリブロフ、ジャルジャンの衛星都市みたいなところな。あそこに王国軍が攻めてきている。王国軍とは呼んでるけど、貴族たちの寄せ集めだな。


 リブロフまで後一日の距離みたいで、リブロフの守りにミリーのワイバーン五匹と、みんなのドッペルに行ってもらおうと考えてる。俺はバッハに乗って、国王の所に行って話をしてくるつもりだから、三人くらいは俺と一緒に来てほしい」


 妻たちが五分程話し合った結果、リブロフで指揮を執るピーチとシュリ、アリスは候補から外れ、ワイバーンが行くという事でミリーも外れる。回復要因としてキリエ、盾としてリリー、攻撃要因としてケイティ、魔法使いとしてイリアがついてくることになった。


 シェリルとネルも納得しているようで、ずるい! とか言っていない。何か成長を感じるな。昔だったら絶対に、ずるいって言ってただろうからな。


 シュリのポジションを任されたリリーは、かなり緊張している様子が伺えたので、気楽に行こうと声をかける。守る事だけを考えれば問題ないからな。


 準備が済んだ所に、バッハたちがやって来た。


「ニコとハク以外は、向こうについてってくれ、ダマ、しっかりとまとめるんだぞ」


 近くの空き地に降りてもらい、各々乗り込んでいく。俺の従魔たちは誰に似たのか、緊急時じゃないと適当で困るが、緊急時にはしっかりと命令に従ってくれるから優秀ではある……頑張れダマ!

読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ