065話 ユニーク武器の開発
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ダンジョンの作成が一段落したので今度は、俺を含めたみんなの武器を考えることにした。カエデを呼んで現状の問題点を把握するために話し合いをした。
「娘たちの武器って斬撃か刺突系が多いわよね。魔法も使えるから今のところ問題にはならないけど、バランスを考えるなら、打撃系の武器もないと厳しくなると思うよ。特にスライム系の魔物中には、斬撃や刺突のダメージをほぼ〇にする耐性の高い奴がいるわ。
スライムなら魔法が使えるから問題になるようなことはないけど、上位の魔物になると弱点以外の耐性がありえない位高いやつもいるのよ。獣道の森で戦ったヘビーグリズリーは、打撃系の武器があればもっと楽に戦闘ができたと思うわ」
「やっぱり、打撃系……衝撃を体内に打ち込む系の武器か」
「シュウ、そういった側面もあるけど、打撃系の武器って重量級のものが多いでしょ? だから、武器の特性で押し潰す意味合いの攻撃も多いよ。重量のある武器が体にぶつかるだけでも、大きなダメージになるからね。
衝撃を体内に届かせるって意味では、浸透勁の方が効率いいからね。武器の特性と魔物の耐性ってよくわかってないことが多いけど、ルールみたいなものだと思ったほうがいいかな? 中には特性を無視したような伝説の武器があるって話もあるけど、実物を見たことないから何とも言えないわね」
謎が増えた。俺のイメージではスライムに打撃はきかないと思っていたのだが、魔法と同じくらいの効果があるらしい。ヘビーグリズリーの毛皮は、斬撃耐性が強くて突き刺し等にも多少耐性があるようだ。
それに対して打撃系は毛皮でダメージを吸収できないため、肉体に直接ダメージが通り早い段階で動きを鈍らせることができるから倒しやすくなるらしい。ちなみに打撃系が効きにくいのは、獣系でも毛の量が多くて柔らかい魔物には聞きにくいようだ。
羊系とかのモコモコした感じの魔物だ。他には悪魔系の魔物には効きにくいらしい。理由は分からないが、耐性値がめちゃくちゃ高いらしく鈍器使いの冒険者たちは、悪魔の出るダンジョンは避けるらしい。
武器の相性を考えるべきか……娘たちにサブウェポンを持たせるのもありか? 他には、元の世界の武器というか兵器の銃の類か?
銃といっても元の世界の銃を、そのまま召喚して使うってわけにもいかないからな。そのまま使える携帯が可能なレベルの銃なら、アンチマテリアルライフル位ではないだろうか? 携帯できる銃とは言いにくいが、この世界には今の所、黒色火薬は存在していない。
材料は存在しているので作ろうと思えば問題なく作ることはできるが、魔法のある世界にきて銃をそのまま使うっていうのも、意味ないよな。薬莢や弾を作るには、技術が必要だから無駄に作ることはしたくない。
軍事オタクの知り合いが、銃の威力はここ何十年と威力が変わってないと言っていた。現状で十分な威力なので、必要以上に威力を上げる必要性もないし、無駄に威力を上げると部品の消耗が激しくなるだけで、使いにくくなると言っていた。
魔法の世界で火薬の代わりになるものとして、火の魔法があるのだから魔道具を作って代用すればいいのではと考えている。銃身にはこの世界の不思議鉱石のミスリルやオリハルコン、アダマンタイトを使い分ければ消耗も減らせるだろう。
元の世界の銃弾は、回転を入れることで直進性と貫通力を上げていたはずなので、魔道具で貫通と弾速を上げる付与ができないか検討するのも悪くないだろう。貫通力を上げるのは風付与、弾速を上げるなら雷付与がある。
魔法付与以外にも回転数を上げたり、銃弾の威力が落ちる原因の空気の抵抗についても、魔法で何とか出来れば元の世界で再現でないレベルの威力になる気がする。
他にも衝撃力を増大させる土付与のショットガンとかもありかもしれない。空気抵抗を軽減できるなら、柔らかい金属を打ち出して当たったら貫通ではなく、衝撃を生み出すタイプの弾丸もいけるきがする。
夢は広がるがファンタジー感が消えてしまうな。でも安全の為には備えておくべきだと思っているので、もちろん作成する予定だ。
とはいっても、現物を見たこともないのに作れるわけがないので銃を召喚してみることにした。銃の始めに表記されていたのはAK-47、確かカラシニコフと呼ばれてる自動小銃だった気がする。テロリストが愛用しているとかいないとか。
単純な構造で耐久力もそこそこあり、安価で作れるのでテロリストがよく使っていると言われている。他にも、拳銃にサブマシンガン、スナイパーライフル等が召喚リストに載っているが、銃は細かいカテゴリーに分かれておらず、種類もバラバラに並んでいた。召喚できるようになった順みたいな感じかな?
色々見ていくと、FNーP90があった。軍事オタクから色んな銃の写真を見せてもらったときに、唯一気になった銃だ。角ばってるんだけど丸みを帯びている不思議な形状に心を奪われたのだ。拳銃より小さい弾丸を使っているが、特殊な弾で与えるダメージはかなりのものだという話だ。
銃弾の種類を変えれば貫通に適した物、体の内部ではじける物などにできるだろう。ということで、俺はP90を五丁程召喚してカエデと一緒に分解して構造を調べた。
カエデは武器に精通しているせいか、銃がどういった物なのかを理解し、その危険性をしっかりと理解していた。
図面に起こすのは俺にはできなかったのでカエデにやってもらった。武器や防具を作るのに構想を練るときに下書きをよくするから得意になったそうだ。
何かよくわからない機構があるが、この部品全部を安いDPで召喚できるアダマンタイトを使って作ってみよう。細かかったり、素材がアダマンタイトなので何日くらい加工にかかるか気になるとこだけどね。
「部品の試作はアダマンタイトを使ってやってみるから、カエデはオプションパーツみたいなので付与魔法や銃の発射機構を何とかできないか考えてみてほしい。研究書みたいなやつを出したから、これも見ておいて。何かに流用できそうなアイディアがあったら教えて、できるできないは後で考えよう!」
ファンタジーの世界で密かに始まった現代兵器のファンタジー加工。
こんなことをしている間にも、シングル冒険者たちは獣道の森を調査している。こっそりMAP先生でのぞいてみると、敵が多くてなかなか休めない様子だ。
スタミナが半分くらいになっている。疲れているが問題なく動けるようなので心の中で頑張れとエールを送っておいた。
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