638話 順調順調
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「みんな、おはよ!」
朝食も終わり、必要な物は片付け終わっている。
「さて、今からチビ神の言っていた、神のダンジョンとやらに入っていこうと思うけど、いくつか確認していこうと思う」
一、絶対に無理をしない。
ニ、危ないと思ったらすぐに引き返す。
三、罠は出来る限り解除していくが、全部解除できるか分からないので、基本はスケルトンに漢解除を頑張ってもらう。
四、スケルトンが半分になったら引き返す。
この位を頭に入れておいてもらう。基本はスケルトンたちは、罠のために連れてきているので、戦闘は出来る限りこっちで行っていく予定だ。
「みんな、油断しないように進んでいくよ。進むのは基本的に一日七時間。午前三時間の午後四時間。区切りの良い所で切り上げて、野営をする形になるからね。
魔物の強さ次第では、上層はスケルトンたちに前を走らせて、少し離れてついていくって形になるかもしれないので、臨機応変に行こう」
装備の最終確認をして、神のダンジョンへ入っていく。
初めの広場には、いくつかのドロップ品が落ちていた。
「何でドロップ品? ダンジョン内で仲間割れでもあったのか?」
分からない事は考えても時間の無駄なので、俺たちは素早く頭を切り替えて、襲ってきた獣型の魔物を撃退する。
「弱すぎて力が測れませんね、一〇〇は無いと思いますが、どうでしょうか?」
みんなが首を縦に振って、肯定している。俺もそう思うので、意見は一致しているようだ。しばらくはスケルトンを前に押し出しての移動になった。俺は一番後ろから、みんなの後をついていく。暇なのでマップ先生を開いて色々確認してみる事にした。
「あれ? マップ先生が、マッピングをしてくれてる? 次の広間でちょっと止まってくれ」
進軍停止の指示を出す。
「スケルトンの一チームを先に進ませてみてくれ。ギンとクロは向こうに。後は、シュリとピーチはあっちに向かってくれないか? 部屋か行き止まりにぶつかったら、戻ってきてくれ」
指示を出したみんなが行動を開始すると、ニつのグループの通ったところがマッピングされる。
「マジか、こんな方法でマッピングができるなんて思ってなかったわ」
「ご主人様、どういうことなの?」
「多分だけど、俺の支配下にある魔物と妻たち……タブレットを持っている人間かな? それが俺の行った事のない道を通ると、マップ先生が勝手にマッピングしてくれるんだよ。こんなスキルは無かったから、バザールがダンジョンバトルでゲットしてくれた、スキルか何かだと思うけど」
そんなことを話していると、進んでもらっていたメンバーが戻って来た。そこで俺の仮説を話す。確か何かのダンジョンバトルネタの小説で、支配下の魔物が通ったところは、マッピングされるような話しあったもんな。
「という事でもう少し実験。イリア、スケルトンたちが進んだ道に、風を送ってもらっていいか?」
イリアが頷くと魔法を使い風を送ってくれる。そこに俺はDPで召喚した蚊を風に乗せてみる。
「やっぱり普通の蚊じゃダメか。体の小さいコスパの良い、魔物はなんかいないかな? あ、ウィルオウィスプがいるみたいだから、こいつを召喚してみるか。
やっぱり、俺の召喚した魔物は、マッピングしてくれるんだな。ある程度理解した。霊系の魔物になるみたいだから、壁抜けができるよな? とりあえず一〇〇〇匹程召喚して、下の階やら何やらをマッピングして来てもらうか」
召喚したウィルオウィスプは、俺のいう事を理解して下にもぐってくれる。今更だけどダンジョンでも、透過能力が有効でよかった。
「よし、下の階はウィルオウィスプにまかせて、俺たちはこのまま進んで行こうか」
初めの予定通りスケルトンを前面に押し出した、ごり押しである。時々罠に反応してストップをしている。ダンジョンのトラップなので、一定時間で元に戻ってしまうが、解除した罠は発動しない限り、その場に復活するので帰りに役立つのだ。
しかもマップ先生のおかげで、マッピングが簡単だしマークもしておけるので、場所を間違えたりしないのが一番大きい。神のダンジョンでも罠の残り方が、普通のダンジョンと変わりがないので、おそらく同じシステムが使われていると思う。
「それにしても、思ったより広いんだな、このダンジョンって」
マップ先生を見ながら俺がぼやく。ウィルオウィスプがマッピングしてくれた、神のダンジョンのマップを見ると、一辺が五キロメートル程ある感じだ。それが迷路みたいになっているので、実際の移動距離がどれだけになるのか見当もつかない。
「みんな、ちょっとストップ。ウィスプがニ階への階段を見つけてくれたぞ。今進んでいる方向から見て、三時位の方向かな? まだマッピングできてないエリアだから、どういう道か分からないけど、それほど遠くないはず」
俺の指示に従って方向が変更される。前で指示を出しているのはピーチで、俺の思うようにしっかりと指示を出してくれている。
それから敵の集団を四つ程撃破して、ニ十分程で階段に到着する。
「思ったより時間がかかったけど、時間があるからおそらく、三階への階段あたりで休憩になると思う。無理なく進んでいこうと思う。それにしても奴隷兵たちは、何処でレベル上げてたんだろうな? 結構奥深くか?」
後半はみんなに聞こえる音量ではなかったようで、近くにいたハクが首をかしげて、こっちを見ているくらいだ。ニ階へ降りて一番初めの戦闘をこなす。
「思ったより強くなってるな。今までいった事のあるダンジョンだと、こんなに強さがはっきりとわかるくらい、強くならなかったよな?」
「そうですね、ここまではっきりとわかるくらい、強くなることはなかったと思います。ダンジョンによっては、フロアの特性や魔物の種類がガラッと変わって、参考にならない所もありましたが」
「それもそうか。この程度の魔物なら、スケルトンたちを走らせても問題ないか。この階もそのまま行こう」
今日は午前午後で合わせて、六階進むことができている。最短距離の敵に遭遇し難いルートを、全力で移動しているので六階分進むことができた。
そして、五日で三十階まで進むことに成功した俺たちは、三十一階へ進んでいく。
「マップ先生で分かってたけど、ここでダンジョンの性質が変わるとは。前のフロアの事を考えると、ここら辺に出てくる魔物は、Lv一五〇位の魔物だと思った方がいいかな? 魔物の全体的な数は減ってきているけど、明らかに強くなってる」
洞窟型から森型に変わった。もちろん敵も変わっており、全方位からの攻撃にさらされることになるのだ。
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