627話 ゴーストタウンの雰囲気
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ガリアが教皇と話し合い、色々とまとめてくれた。今度は、教皇自身は来れないが、今日立ち会った側近の四人のうち誰かが、書類を届けてくれるらしい。その時に色々伝えられるようにしておくと、教皇が言っていた。はたしてどこまで調べれるのだろうか?
仕事が終わったとガリアは喜び、スカルズは特に何もすることがなかったと、愚痴っている。何か好戦的だな。まぁ戻ってきたら、今妻たちにまじってケモミミ三人娘が経験値を稼いでいるから、そいつらとチームを組ませて経験値を稼いでもらうか。
それにある程度稼いだら、レッドドラゴンの討伐に戻ってもらわないといけないしな。その合間にレベル上げでも問題ないんだけどな。
「予想通りの所に着地したな。さすがにもう一回ダンジョンに潜るのはあれだな。そのまま自由にしようか。久々にゴーストタウンに行ってみようかと思うけど、ついてくる人はいるか?」
妻たちは、ゴーストタウンには興味がないようだが、俺につける護衛を相談し始めた。
ついてくることになったのは、ソフィー、レミー、メルフィの三人とクロとギンになった。ニコとハクは面倒ごとに絡まれる可能性があるので、ディストピアでお留守番。そう聞くとニコはハクの背中に乗って、世界樹のある方へ飛んで行った。
俺のお気に入りの椅子の上で、寝るんだろうな。たまにハクの羽毛が落ちていることがあるので、そういう事なのだろう。抜け毛と言っていいのか、抜けた羽毛はそのままにせず、しっかりと集めている。
魔道具の触媒としても、使える事が分かってからは、大切に保管している。
久々のゴーストタウンに到着したが、変わってないな。一番最初にテコ入れしてから、大分建物が増えてはいるが、見た目が損なわれないように、統一した外観にしているので、建物が増えてもあまり変わった感じがしないのだ。
相変わらずにぎわっているんだな、冒険者によるトラブルは無くなっていないが、ここができてから時間がかなり経っているので、ここでの先輩冒険者が来たばかりの冒険者に、厳しく指導しているようで減ってきているとの事だ。
後は屋台もにぎわっている。ディストピアからの食料の輸入もあるが、バザールの畑や養肉場から供給される、安価な食材を使った物も多く、所狭しと並んだ屋台からいい匂いが漂ってきている。
この街の中は安全で、うまい飯も寝床もある。雨が降る事は無く、一年中過ごしやすい気温であるため、かなり住みやすく移住者が今も増えている。人がたくさんいるという事は、物資がたくさん必要になるため、商人も集まりお金が大量に動く。
ダンジョンがあり、お金が集まるのであれば、冒険者たちがうまみを求めて集まり、さらに人が増える。といった感じで、人が増えるループが生まれているそうだ。
このまま増えていくと今の敷地内では近いうちに、定住者の住む場所が無くなってしまうので、壁を取り払い外縁部迄建物を建てられるようにするようだ。
この作業は、土木組に近々依頼するとの事。壁から外縁部までは広い敷地があるので、商会組合から再三のお願いがあり、倉庫区画も用意すると言ってたな。
それでも数年のうちに、場所が足りなくなると予想しているようで、外縁部に高層マンションを敷き詰めて、見た目を悪くしないように、大量に人を住めるようにする予定だ。
冒険者たち用に素泊まりのできる大部屋、小部屋を用意もしていくらしい。街の中心から結構歩かなければならないので、お金のない冒険者や、一人部屋の欲しい冒険者などが、利用する予定との事だ。
ちょっとした、つまんで食べれる屋台の甘いお菓子を買い、みんなで食べながら道を歩いて散策する。
俺の商会以外にも、大分商会が増えてきたようだ。ただ、武器防具屋はそう多くなかった。それもそうだよな、うちの商会で扱っている商品は、見習いとはいえドワーフたちなのだ。
そこら辺のニ級品よりも品質がよく、それを他の街の半額ぐらいの値段で売っているのだから、出店してくる人間も少ないよな。
ゴーストタウンには、個人の工房で好みに仕上げてもらう、セミオーダーメイドのような形がはやっている。俺の商店で買った商品を、個人の工房やお気に入りの工房に持ち込んで、仕立て直してもらうのがトレンドらしい。
武器防具の目利きのできる商人は、見習いたちが作った中でも出来の良い商品を買い付けて、自分の街に持って帰って高値で売りさばいているそうだ。
優秀な冒険者の死亡率が下がるならいいかと思い、少量の買い付けならゼニスは放置しているらしい。でも、大量に買いに来る奴は、問答無用でゴーストタウンから追放されるようにしているとの事だ。それで問題が出ていないので、俺が関与する事もないな。
「みんなは、今の武具で満足してるか?」
「私はね、自分で皮装備作ってるから不満なんてないよ! ドワーフのお爺ちゃんが丁寧に教えてくれるから、腕もどんどん上達しているんだよ! その内みんなのも作ってあげるの!」
メルフィが胸をはってそう答える。続いてレミーが、
「私は、武器でも剣とかじゃなくて、杖とか弓とかの木工関係を教えてもらってるけど、メルフィちゃんみたいに上達できてない。でも、ドワーフのお爺ちゃんからは問題ないレベルで、商品になる物ができてるって言ってた」
次にソフィーが、
「私はね、綾乃お姉ちゃんの所に行って、製薬とか錬金について学んでるけど難しいから苦労してる。でもねでもね、Cランクのポーションは、作れるようになったの!」
うん、年少組の製造関係の能力が、異様に高い……ドワーフの爺どもは、可愛がってるだろうけど、商品にする物にひいき目は使わないから、本当に商品になるレベルの物を作っているのだろう。
それに難しいといって、Cランクの魔法薬が作れるようになってるって事は、国お抱えの薬師の中堅位の実力があるという事だから、末恐ろしいな。
三人の報告を聞いた俺は、みんなの頭を撫でてやった。
屋台のおばちゃんたちが、微笑ましいと言わんばかりに温かい目で見てくれている。俺はこの街でも有名で、俺の近くにいる武装メイド服を着ている子たちは、俺の嫁だという事は知っているので、こういった温かい目で見てくれるのだ。
たまに、俺の事を知らない馬鹿が絡んでくるが、最近はめっきり減っている。今日はそう言う奴等と遭遇する事は無かった。
「これ以上、見る所もないし帰ろっか」
元気よく返事をした三人を連れて、家に帰ることにした。
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