617話 帰ってきた
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妻たちの治療を終え、侵攻者がリバイアサンに殺されたのを確認してから、戦闘をした一帯をDPで更地に変えて破棄する。これでしばらくすれば、ここもまた樹海の一部に戻るだろう。気落ちしている妻たちを連れてディストピアへ帰る。
帰り道に誰も声を出さず、何かを考えている様子だった。そのた俺の身体の事を、説明するタイミングを逃してしまった。
ディストピアにつくと、ピーチが指示を出して片付けを始める。三十分程で片付け終わり妻たち、スカルズ、ケモミミ三人娘は、そのまま話し合いがあるといって、庁舎にある会議室に行くとの事だ。
俺もと言ったが、俺には後で結果を知らせるから、参加しないでほしいと言われてしまった。俺のお供は、従魔たちだ。
妻たちの様子は気になるがさすがに、参加しないでほしいと言われてしまえば、参加するわけにもいかないよな。グリエルに話をしに行くか。一応、バザールを呼んでおこう。
「シュウ様! 無事に戻られたという事は、ミューズで暴れた奴は倒されたんですよね?」
「無事かどうかは別として、誰も死んではいない。攻めてきてたやつは、何とかリバイアサンの住処に落として、倒すことができたよ」
「無事ではないのですか?」
「この話の肝心な部分はバザールが来てからするわ。で、やっぱりマップ先生で見てた通り、強敵だった。正直読みが甘すぎたと感じたよ」
「それほどだったのですか?」
「そうだな、武器の性能もすごかったが、あいつ自身のステータスには表れない、技術面がかなりヤバかったよ」
何があったのかを話している途中に、バザールが飛んできた。文字通り空を飛んで、グリエルの執務室に来たのだ。いつの間にそんなことできるようになった?
「主殿、呼ばれたからきたでござる。どうしたでござるか?」
「そうだな、今回の襲撃者は、正直ヤバかったんだわ。何というか、危うく全滅しかける位に強かった。で、バザールが進めててくれた、ダンジョンバトルで勝った時の報酬で、今回の窮地を脱出できたスキルを手に入れる事が出来たんだ。本当に助かった」
「気にしないでいいでござる。某は某でDPのためにやっているでござるからな。それにしてもダンジョンマスターに付与できるスキルで、そんなに強力な物があったでござるか?」
「ここからが話の本題なんだけど、そのスキルが大量のDPを使って、体を作り替える事の出来るスキルだったんだわ。自分に使う事が出来なかったけど、チビ神が特別って言って使ってくれたんだわ」
「ん~それにしては、どこも変わってないでござるな」
「チビ神曰く、人間じゃなくなって寿命が無くなったみたいだけど、それ以外は何も変わってないみたい」
「不老でござるか? 某と一緒でござるな!」
「シュウ様、バザール殿、そんなに簡単に話す内容ではないのではないですか?」
「個人的に言うなら、異世界に召喚されるより人体改造の方が現実味が強いからな。DPで魔物が召喚できるのも、不思議な感じだけどな。寿命が無くなって、人間じゃなくなったけど、人間らしいから気にすることないと思う」
「そういうものでしょうか?」
「某の姿を見ればわかるでござろう。骨でも楽しく生きてるでござるから、人間の姿のままに不老になった主殿は、楽しみも多いからうらやましいでござるな」
「バザールもDPで改造できると思うけど、やってみるか? 今さっきスキルを立ち上げた時にみた感じだと、思ったよりカスタマイズができるみたいだったぞ。ノーライフキングなのに、生身の肉体を手に入れられると思うけどどうする?」
「非常に魅力的でござるが……何かしらの制限がかかるのであれば、遠慮したいでござるな」
「後でチビ神に聞いておくわ。もし制限なかったら作り替えるか。一応報告として、危機を脱するためにDPで体を作り替えて強くなって、何とか倒すことができた感じだったっていう事を、言っておきたかったんだ」
ニ人は納得したようだ。バザールは戦闘の様子や、新しく付与されたスキルについて、話を聞いてきたので答えて解散となった。妻たちはまだ、会議室を使っているようだったので、ニコやハクを連れて家に帰ることにした。
ところでチビ神、ノーライフキングのあいつをDPで作り替えて、肉体を与えようと思うけど、それによって何か制限がかかったりするか?
『そうね。やっぱり骨の時より、関節の動きは制限されるわね。筋肉や何やらつくのだから当たり前だけどね。でもそれ以外では特にないわ。
あの骨はノーライフキングだったわよね。それが肉体を持つだけよ。アンデッドなのに生きた肉体……何かヘンテコな感じだけど、そもそもあの骨は存在自体が、特殊だから気にするだけ無駄だわね』
確かにアンデッドなのに、生きた肉体を持つ事になるってことだよな、違和感しかないな。それにしてもナチュラルに俺の問いかけに答えたな。お前がいつも覗いているんじゃないかと、最近思うんだがそこらへんどうなんだ?
『私もそんな暇じゃないわ、小説にマンガ、アニメ、ゲームに忙しいんだからね! でも、私の召喚したあんたに何かあれば、わかるんだから見るのは当たり前でしょ? また危うく魔王になりかけたしね』
そうだ魔王って何なんだ?
『何だと聞かれれば、その世界をゲーム盤だとすると、貴方たちや人間は駒っていう所ね。でも魔王は、そのゲームの枠から外れたイレギュラーな存在、ってことになるかな?
魔王がいると必ず、盤が荒れるから困るのよ。しかもそれが自分の召喚した人間だったら、なおさら肩身が狭くなるのよ。だから何としても、魔王化はさせたくないから介入するのよ』
今までに俺みたいに、感情を爆発させた奴なんて腐るほどいただろ? なのに魔王の話は、全く効かないけどなんでだ?
『決まってるじゃない。魔王になるにも、条件が必要なのよ。レベルの限界突破をしたダンジョンマスター、あなたみたいな、規格外に強いダンマスが条件なのさ。だから気をつけてね。せっかく可愛い娘ちゃんたちも近くにいっぱいいるんだから、悲しませないようにね!』
そういう事か、すまん、今回は本当に助かった。それと情報ありがとな。
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