567話 ラスボス? 登場
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一一二階は、俺的に精神的にゴリゴリ削られる場所だった。こんなに耐性が低かったのか? その上に妻たちには、こんな事でイライラするくらいなら、ムラムラした時だってさっさとおそってくれればいいのに! なんて言われてしまった。
意味が分からんが、妻たちにも色々言われ精神的に疲れたよ。ニコとハクにいっぱい癒してもらったよ。
この階も結局、魔物と戦っている時に奇襲してくる鬼人族を何とか倒して、進んで魔物と戦って奇襲されて鬼人族を何とかしての繰り返しだった。時折索敵によくわからない反応からの奇襲を受けたりと、本当に変わり映えがなかった。
一一三階・一一四階は、何というかアスレチック的な感じだった。このダンジョンの色んな階層が、ごちゃ混ぜになっているという意味での、アスレチック的なという表現だ。
溶岩地帯もあれば、暗黒トラップ、黒い悪魔エリア、森林地帯に昆虫わんさか、そしてどのエリアにも鬼人族の弓と魔法、まぁまぁめんどいフロアだった。
一一五階は、打って変わって何もない、だだっ広いフロアだった。ボス部屋になるはずなので、ただただ広くてもいいけど、そこにいた魔物に問題があった。
どうやってこのダンジョンに召喚されたか分からないが、今までのボス部屋にいた魔物たちが三倍くらいの大きさになっていた。
亜人がでかいのはただの巨人だけど、あれだ黒い悪魔のボス部屋にいた、あいつらまで三倍になっていたのだ!
自分達のエリアがあるみたいで、そこに入らないかこちらから攻撃しない限りは、襲ってこなかったので各個撃破できてよかった。
最大火力の魔法をぶつけて、生き残ったら撃破だったり、近接で一気に切り付けて終わりみたいな感じで終わらせている。
「ん~全部倒したけど、カードでないな、それよりここにエレベーターの入り口らしきものも無いな。で、階段っぽいのが中心にあるからそこから降りようか」
一一六階は存在しないという説もあったが、階段がある事を考えると、存在していたという事になるのだろう。最後のエレベーターの入り口もまだ見当たらないので、一一五階が最下層という話は消えた。
この下に何があるのかと思えば、ガチなボス部屋だった。俺このパターン知ってる。岩男が主人公のゲームのボスラッシュ後のラスボス。ここのダンジョン作ったダンマスを、殴りたくなってきたわ。
ちなみに出てきたボスは、見た目はドラゴンだけど、俺の勘が間違っていなければ、ファーブニルではないだろうか?
元々は人間だったファーブニルが、父親の持っていた財宝に目がくらみ、父親を殺して財宝を手に入れて、誰にも奪われまいとし自分を巨大な竜へと姿を変え、財宝を守る事となった。といった感じの内容だった気がする。
話には続きがあって、財宝には呪いが掛けられており、財宝を手に入れたが呪いにかかってしまった。
ある日ファーブニルの弟の鍛冶師レギンは、シグルドと共に宝を奪いに来て、見事宝を奪ったのだが、レギンはシグルドに殺されてしまう。そしてシグルドもまた呪いにより、宝を狙った兄弟に殺されてしまうのだった。
みたいな内容だったような。で奥に見える財宝って、呪いがかかってるっていうあの財宝を模した物か? そもそも、都合よくファーブニルを召喚できるようになったのか?
状況からみて、ファーブニルだと思っているだけで、あっているかは不明である。
「おそらくこの流れを考えると、あの魔物はSランクだと思う。シュリにバフを集中させて、タイミングが合えば結界を張って敵の強さを調べるぞ。もし倒せそうなら、無理に強さを図る必要はないから、そのまま攻めてもいいぞ」
ファーブニル(仮名)を囲んで攻撃を仕掛けて行く。正面はもちろんシュリが陣取ってヘイトを稼いでいる。以前からこういう状況の時は、俺が正面に立って攻撃を受けたいのだが、満場一致で拒否されてしまったのでシュリが担当している。
ファーブニル(仮名)の体長は、三十メートル程だろうか、でかくね? 物理的な問題で、ステータスの補正があるとはいっても、このサイズはさすがにどうにもならんだろう。
例えば前足の攻撃を受け止めたとして、身体に影響がなくても地面に体が刺ささりそうだ。ダンジョンの床という事があっても、膝位までは埋まってしまいそうだ。
「攻撃でブレスもあるけど、今の所結界を突破できるほどの威力は無いな。ファーブニルの属性って何だろうな? 呪いにかかる宝物を守る龍、普通に考えたら闇とかの負の力だと思うけど、光魔法をぶち当ててみるか?」
シュリがヘイトをとっているので、死角から光魔法を撃ちこんでいこう。
「シュリ、そっちに引き付けておいてくれ!」
俺の指示に従い、ヘイトを稼ぐスキルを重ね掛けしてくれる。横っ面に魔法を撃ちこみますか。
あまり使わない光魔法なので、思ったより使い辛かった。魔力を込めて、光魔法Lv七で使えるようになる【ライトバースト】を使用する。
【ライトバースト】とは、光属性の光線を出して、触れた所で爆発を起こす魔法だ。何というか、光なのに爆発? と思わない事もないけど、光属性の攻撃なので気にするのはやめた。
俺の放った魔法が、ファーブニル(仮名)の横っ面で爆発を起こすと、効果があったのかシュリの稼いでいたヘイトを、一気に越してしまい俺に向かって来ようとしている。
「えぇ! 一発でタゲが飛ぶとか、どれだけ打たれ弱いのさ! でも、これで判明したな。光魔法か魔法自体に弱いのか分からんけど、効果的だという事が確認できたな。ってことで、次は光以外の魔法を撃ちこんでみてくれ」
シュリがタゲを取り返そうとするが、さすがにとり切れないようなので、俺が『已む無く』ターゲットを維持することにしたので、魔法撃つ時に使った杖をしまわずに大楯を取り出した。
杖と大楯の珍しい組み合わせで、ファーブニルに向かう。ここからは、遠慮なくタンクが出来そうだ。ヒーラーからバフが飛んできているので、大丈夫だろう。
「さぁ、かかってこいや!」
掛け声とともに挑発を使用してさらにヘイトを稼ぎ、さらにチェインの範囲内に入ったので、チェインを使い強制的に俺の前に引きずり……物理的には無理なので、そういう気分という事にしてくれ……出して対峙する。
「これだけ体格差があるとどうにもな。魔法でダメージ与えてスキルでヘイトを稼げば、他にタゲがいく事は無いだろう」
そう思い、右手に持っている杖に魔力を込めて、魔法を撃てるように準備をする。
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