545話 出発前日
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チビ神から情報をもらったダンジョンに行く事が決まったが、今回はかなりの時間がかかる予定なので、色々な仕事を済ませてから行かなければならない。他にも、いない間の指示もしておかないと、いざという時に困るので、きちんと話し合っている。
「シュウ様、もし何かあったら四大精霊、綾乃様、バザール様に相談すればいいのですね」
「そうだね、一応俺のドッペルも残していくから、ダンジョンから意識を憑依できるなら、一日一回は短い時間でも戻ってくるからよろしく」
「了解しました」
こうして色々と準備が進んでいく。
シルキーたちは今回もついてくる予定で色々と準備している。ダンジョンのある街で商会の支店も出すのが決定しているので、ゼニスに運転資金として大量にお金を渡された。俺のお金で済ませようと思っていたのに手回しが良すぎるな。
まじでお金を消費しないとたまる一方だよ。
各街で得たお金は、その街で面白そうなものを購入してもらう事にした。例えば、珍しい食材だったり、魔道具や魔法の品、宝石等。他にも工芸品などをちょっと高めでも、購入していくようにしてもらっている。
あくまで商会での買い物なので、甘く見られない範囲で買い物を行っていく事になっている。明らかに買いたたくのだけは、禁止させてもらった。今回はお金を消費するのが目的だからな!
これで面白いものが手に入ればいいな。食物系なら農民やドリアードが喜ぶだろうし、鉱石系なら老ドワーフが喜ぶだろうし、魔導具ならアリスやライムが喜ぶだろう。
工芸品ならプレゼント用でもいいか? というか、DPに還元できるんだったな。それでいいじゃん! 高めの物を購入して還元してしまおう! そうすればお金をたくさん使えるな。
みんなに準備をしてもらっている間に俺は、適当にそんなことを考えながら過ごしている。一応仕事もしてるよ?
ダンジョンの中で何日も過ごすことになるので、そのための準備も進めてもらって、テントで過ごすのでもいいが、簡単にプレハブみたいなものを組み立てられるような道具を、老ドワーフと一緒に作成している。
簡単な話、収納のカバンに入るサイズの板を、いくつもつなぎ合わせて居住空間が出来るものを作っているのだ。
自由に組み替えられるように調整するのが大変だったが、一個完成してしまえば、その後は早かった。通路にも建てられるように、小さいサイズの板も作っている。問題はシルキーたちを、連れて行くか連れて行かないかだった。
ダンジョンの中ではそこまで手の込んだものは作る事ができないが、俺に仕える者として長い時間離れたくない! と強く主張してくるので、連れていく事になるだろう。そのためにレベルも上げているので、文句も言えない。
そもそも家精霊がどんな戦い方をするか気になったが、ブラウニーと一緒で盾に鈍器のスタイルだ。魔法まで組み合わせてのオールレンジ攻撃は、俺たちとは違った対応しにくい攻撃だな。
出発の前日にゼニスに呼びだされて、ゴーストタウンの商会に足を向けた。
「ゼニスから呼び出されたけど何だろうな?」
答えが返って来ないのが分かってはいるが、歩いているクロの上でくつろいでるニコを撫でながら、そんな風に声をかけてしまった。一応俺の言っていることは理解できているが、会話をする機能がないので、独り言になってしまう。
商会に着くと、すぐにゼニスのいる部屋に通された。
「シュウ様、お待ちしていました」
部屋に入ると、ゼニスの他に五人の身なりが整っている人物たちが、ゼニスの後ろに立って待っていた。
「先に紹介しておきます。明日シュウ様に同行して、ダンジョンのある国で支店を任せようと思っている者たちになります。色々面倒な事があると思いますが、ダンジョンに入る前にその街で居場所を作ってもらいたいとグリエル様からの命令なので、お渡ししたお金でいい場所の確保をお願いします」
すでに手は打たれていたようだ。運転資金は運転資金である程度残しておかないといけないという理由で、俺からも資金を出して良い場所の確保をするか。
「りょーかい。場所はそっちの五人がチョイスする感じか? それとも俺が決めるのか? 俺的には、これから働く場所になるから、そっちの五人に場所は決めてもらいたいと考えているんだけど、何かまずいか?」
「いえ、シュウ様が望まれる事がすべてですので、何も問題ないです。こちらとしても、これから働く五人に場所を決めさせるのは、良い考えだと思いますので助かります」
「よし、道中は色々慣れない事で、大変だと思うけどよろしく頼む。食材は全部こっちで準備しているから、服とか持っていく物があれば準備しておいてくれ」
「そこらへんは問題ありません。先日バザール様に収納のカバンをいただきましたので、必要なものは全部そちらに入れてあります。他にも、五人の家族も一緒に向かう事になるので、全員で十六人になります。
五人の内四人が結婚していて、二・二・二・一で子供がいるので、合計十六人になります。馬車はドワーフの皆様に準備してもらったものが、二台ありますので問題ありません」
色々準備していたんだな。街の下にダンジョンがあるので、地下通路をひくことも建物に地下を作る事も難しいので、魔物の領域を抜けて街にたどり着く必要がある。結構手間がかかるな。道がどれだけ広いか分からないが、最悪土木作業をしながら進んでいく事になる可能性がある。
「明日よろしくな。出発はディストピアの庁舎下にある駅から出るから、そっちに集合してくれな」
ディストピアに戻って、俺も最後の荷物確認をしてからその日の夜を過ごした。年少組はしばらく会えなくなる土木組の部屋に、泊まりに行っている。同じ敷地内ではあるけど、きっちり分かれているので、泊まりに行くのは気分の問題だろう。
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