525話 フレデリク戦の終盤に向けて
アクセスありがとうございます。
試験農場は、フレデリクと亜人の森の中間ではなく、少しずれているためか、拠点を作ったところに比べると魔物の数が目に見えてわかるほどには少ない。特にゴーレム系は、こっちには来てないようなので、思った以上に壁の損耗は少なかったので、修理には時間がかからなかったと。
今俺たちがしているのは、魔物の侵攻してきている反対側から、魔物を削る作業をしている。俺は魔法を温存して、大薙刀を使用して前線で大暴れしている。
ここら辺にいるほとんどが、Eランク程度の雑魚魔物なので、カエデが作ってくれた大薙刀は魔物をスパスパと切ってくれた。ゴーレム系がいたらここまで、スンスン進めなかったと思う。サイレントアサシンを先行させて壊しといてよかった!
拠点でも冒険者や土木組が減らしてくれているようで、こっちに流れてくる魔物の数は、大分減ったので楽な仕事だった。未だに亜人の森からワラワラと沸いてくるからな。
このモンスターパレードって、神たちの娯楽の一つか? フレデリクの街の冒険者のレベルが王国の平均より五位高いから、意図的にレベルの高い人間を生み出すとかいうあれかな?
『ギクッ!』
チビ神! お前らの仕業か!
『わ、私の所為じゃないのよ! あなたへの嫌がらせの一環で、貴方の縁の深いフレデリクを攻撃したら、ディストピアから引き離せるんじゃないか? って話が有って、私は必死に止めたけど、娯楽に飢えた神は質が悪いのよ!
しばらく閉じ込められて、今さっき解放されたのよ。おかげであんたに伝える暇もなかったのよ。ごめんなさい』
俺を目の敵にしている神共の仕業か、ちなみにモンスターパレードって呼んでるんだけど、これを止める方法ってあるのか?
『氾濫ね。それを止めるには、中心にいる魔物を討伐すれば領域に戻っていくわよ』
方法があるのな。大火力で押しつぶすか? で次に聞きたいことは、神共は俺をディストピアから引き離して、何がしたかったか知ってるか?
『ディストピアのある所も魔物の領域でしょ? だからそこも氾濫させるつもりらしいわ』
そういう事か。他に今伝えておかないと、まずそうなことはあるか?
『急に言われても、思いつかないわ』
了解! また何かあったら連絡するからきちんと見とけよ!
さて、まずしなきゃいけない事は、グリエルに連絡だな。
「グリエル!」
『はぃはぃ、どうかしましたか?』
「確かな情報か分からないけど、樹海が氾濫を起こして魔物がディストピアに攻めてくるかもしれないから、注意してほしいんだ。
グリエルにはディストピアとゴーストタウンを、しっかりと管理しておいてほしい。防衛に関しては、綾乃とバザールを中心に、四大精霊を使うから問題ないと思うけど、協力を求められたら可能な限りの手助けをしてくれ」
『了解しました』
「それと一時的にリビングアーマーと、人造ゴーレムを全部吐き出して魔物を駆逐するから、その代わりの冒険者や兵士の調整をお願い。お金が足りなそうなら、家にあるお金をブラウニーたちに言って、出してもらってくれ」
次に連絡を付けるのは、綾乃とバザールだ。
「綾乃! バザール! いるか?」
『某は眠らない故いるでござるよ! 綾乃殿とは、今一狩りに行ってるでござる!』
「よし、綾乃の返事は無いけど聞いてるってことだな。今から簡潔に話すから即行動に移ってほしい。今さっき、神からディストピアに向かって樹海の魔物が、氾濫してくる可能性があるって言われたから、防御を固めてほしい。
一応俺のリビングアーマーと人造ゴーレムは、招集かけたから使ってくれ。バザールにはDPを渡しておくから、臨機応変に召喚して使い切ってもかまわない。相手は魔物だから遠慮する必要もないぞ。樹海の木なんてすぐ生えてくるから、気にする必要もない、遠慮なくやってくれ」
『シュウ! 私の作った兵器もだしていいの?』
「何作ったか知らんが、ディストピアとゴーストタウンに影響なければ 何してもいいぞ。神共にお前の力を見せてやれ!」
こういう時の綾乃は、煽ると調子に乗っていい方向に転んでくれるのでこれでいいだろう。
魔導無線の先で綾乃が女子らしかぬ声で、『うをおおおお』とか言っているのは無視しておく。
「バザール、綾乃のめんどうを見ておいてくれ。戦力的には大丈夫だと思うけど、足りないと思ったらドンドン召喚しろ。四大精霊もお前につけるから、アンデッドじゃない方がいいなら、あいつらに頼んで召喚してもらってくれ」
『了解でござる。綾乃殿のフォローと全体の指揮をする形でいいでござるね』
「そういう感じでよろしく!」
俺はオーガキングを倒す算段を立てないとな。
「ピーチ、チビ神から情報をもらって分かったんだけど、どうやら中心になっている魔物を倒すと、モンスターパレードが収束するらしいから。倒す算段をしよう」
「中心になってるのは、オーガキングってことですか? 今、サイレントアサシンがけん制しているんですよね?」
「そうだね」
「では、ご主人様に例の雷魔法を使ってもらい周りを沈めてもらって、オーガキングを私たちで瞬殺すればいいんじゃないですか?」
「それで大丈夫か?」
「オオカミやサイレントアサシンたちが、少量でもダメージを与えられている状況を考えると、ヴローツマインのビッグゴーレム系と、同じだと考えればいいのではないのでしょうか?」
「そういう事か。確かにタフネスやパワーが強いだけって感じだよな。ビッグゴーレムよりタフネスは低いけど、その分スピードに割り振られてる感じかな? ステータスの一部がAランクを凌駕しているだけの劣化Sランクなら、何とかなるか。
ビッグゴーレムに比べて柔らかいなら、大して手間にはならないか? 念のため、不測の事態が起きた時のために、逃げ道だけは確保しておこうか」
シュリを含めて三人で簡単な流れを確認して、逃げ道は地下に作ろう。俺の魔力が回復するのを待ってからの攻勢に転じる事となった。俺が休んでいる間も、可能な限り魔物の数を減らす作業をするのでと言われ、俺はベッドに寝るように促された。
一応起きてゆっくりしているより、寝る方が魔力の回復が早いので、寝るように促されたのだ。寝る前には魔力回復にボーナスが付くといわれよくわからない、リ〇Dみたいな味の飲み物を飲んでからベッドに横になった。
マナポーションで回復しないのは、この後も戦闘が続くことを考えると、飲み過ぎには注意が必要だ。飲みすぎると中毒を起こしてしまうので、連戦が考えられるときは極力休んで回復をはかる方が良い。
読んでくださり、ありがとうございます。
ブクマや評価をしていただけると幸いです。
これからもよろしくお願いします。




