503話 日常が続いたある日
アクセスありがとうございます。
ダンジョンの研究を始めて三ヶ月が過ぎた。俺は潜りつかれたダンジョンの事を考えながら、世界樹の木陰の下でボーっとしていた。
「あれから三ヶ月か……最初は仕事ができると考えてやってたけど、最終的にはただ単にダンジョン攻略を、作業としてやってる感じだよな。これは俺の精神衛生上本当に良くない……と言ってもする事って、生産系か物作りくらいしかないよな」
内政関係が選択肢に入っていないのは、めんどくさいしやりたくないからである。この三ヶ月の間憑依を続けていたが、特性のベッドで筋力が落ちた様子はなかった
「ドッペルを使って何かできないかな? ドッペルゲンガーなら、意識を憑依させれるんだから、色んな所に行けるんじゃないか? 俺の身体と同スペックとは言わないけど、レベルを上げて魔法関係を覚えさせたドッペルを各町に配置しておけば、かなり便利になるんじゃないか?
あれ? ドッペルって中身が入ってない時って、どうなるんだ? 俺の姿のまま動き回ってるのかな? ちょっと調べないといけないな」
一人だとあれだから、協力してもらえるメンバーを探すか。ダンジョンの中でやるなら、スプリガンたちにも手伝ってもらえるだろうしな、妻たちの中で時間のある妻に手伝ってもらおう。
と言ったものの、三時のおやつの時間なんだよな。今日は金曜日だし、日曜の夜にでもみんなに話そう。今日の夜からみんながゲームにどっぷりになるから、余計な事を考えないようにしてもらおう。
みんなのやっている、海が舞台のオンラインゲームで、どうやらレベル制限解除を行っている妻たちもいた。いろんなパターンの子たちがいて面白いのだが、その中でも珍しかったのが冒険のみを、ゴリゴリと上げている子だ。
もうスキルがカンストしているという事にかなりビビっている。地球にいた頃にやってた時は、頑張って十くらいまでしか上げられなかったのだ。貿易や戦闘の方が面白かったからな、冒険する時はブースト装備でゴリゴリ上げてやってたよ。
今日も今日とていい航海を!
オンラインゲームで楽しんでいると、時間が過ぎるのが早いね! 日曜の夕食になったので、皆にドッペルの実験を行うから手伝える人を募るが、明日が週の初めという事もあり、参加は難しいようだった。
水曜日であれば都合がつけられそうだとの事なので、二日はのんびりと過ごそう。溜まっていた小説をブッ君で読むのもいいな。
小説のデータリストをながめながら、持っていない小説を召喚していく。
今回のデータリストは、優等生の妹・劣等生の兄が中心になって話が進んでいく、学園魔法バトル的なあれ。
俺みたいに召喚されたけど勇者三人の召喚に巻き込まれ、とばっちりを受けたおじさんが地球の物をお金で買って料理して、強い魔物を従魔にして神達に迷惑をかけられるあれ。
ダークヒーローもので、ゲームキャラクターのままギルド本拠地と自分たちで作ったNPCが、一緒に転移させられてその世界で、NPCたちが自我をもち、暴走気味でどたばたと話が進んでいくやつの続きだ。
他にも目についた物のデータを召喚してブッ君に収めていく。
『ジーーー』
何か見られてる気がするけど気にしない!
『ジーーーーーー』
…………
『ジーーーーーーーーーーー』
普通に口で言うな! わかったから、何が欲しいんだ?
『新しいデータ全部!』
チビ神に渡したのは……ここまでだったから、この下から全部だな。ほらよ、のんびり読めよ! ゲームもマンガも入れといたからしばらく持つだろ?
『感謝してるよ。あんたがすk「そういうのはいらないんで!」グハッ、相変わらずインターセプトが早いわね。ありがとね、他の神共に見せつけながら、遊ぶし読んじゃうんだからね!』
ほどほどにしないと刺されるぞ。
『大丈夫よ! 私はこんなに可愛いんだからね!』
ハイハイカワイイデスネー。
『何で片言なのよ!』
鶏カラもあるから、大人しく食いながら本でも読んどけ!
『モグモグモグ、美味しいわね!』
あ、ニンニクたっぷりだから口臭くなるよ。
『大丈夫よ!【デオトラント】これで臭いは消えるわ!』
あれ? 語彙的にはそれって、体臭とかに効くだけで、口の中や胃からする臭いには、効かないだろ? 俺の臭いじゃないから気にしないけどな。
『え? 本当だ私の口が臭い!』
それは元からじゃね?
『失礼ね! 毎日歯を磨いてるわよ! ちょっとどうにかして!』
めんどい奴だな。この前試作した、消臭ポーションでもやるから、大人しくしとけよ! またな!
一方的に話を区切ってから体を伸ばす。
「さて、小説まみれの二日間にしてやろう! ブッ君はサウナにも持っていけるから、ガンガン読むぞ!」
自分で自分に気合を入れてから、サウナに向かう。
サウナと水風呂を三時間程行き来しながら一冊分を読み終えた。サウナと水風呂の間に、しっかりと水分を補給しているぞ! 初めはキンキンに炭酸飲料を飲んだが、途中からは人肌位の温度のポカ〇を飲んでいる。
本当は冷たいのがいいんだけど、汗かいた後に冷たい物を一気に飲むと、お腹を下すからね……でだ、何でお前たちはここにいるんだ? 俺が水風呂に入れんだろ。そうだニコ、そこをあけてくれ。
「あ゛あ゛~~ぎぼちいい~。ニコよ、俺の頭の上に今乗るのは許さんぞ、もし乗るんだったら……粘液スライムのプールに叩き込むぞ?」
そういうとニコが俺の頭から、コソコソと擬音がつくような感じで降りてくれた。粘液スライムがニコを倒せるわけがないのに、なぜかニコは粘液スライムが苦手のようだ。
水風呂で体を冷やしている間も、ブッ君で本を読み続けている。お風呂からあがると昼食になったが、妻たちが忙しいみたいだ。
昼食には、サンドイッチとかホットサンド、ホットドックのように、手で持って食べられる物や、唐揚げやウィンナーのように、爪楊枝みたいなもので食べられるお弁当セットを準備してくれていたので、俺は世界樹の下でくつろぎながら、読書にふける。
気付いたら寝ていて、タオルケットがかけられていた。誰かがかけてくれたのだろう、ありがとう。もっかい寝るかな。
読んでくださり、ありがとうございます。
ブクマや評価をしていただけると幸いです。
これからもよろしくお願いします。




